艦これSS
今年もよろしくお願い致します!
壁に掛かっている、柱時計がカチカチと規則正しい振り子の音が聞こえる。
時刻は、もうすぐ午前零時を打とうとしていた。
何時間前から手元の資料に目を落とし、資料の横にあるメモ用紙にガリガリと数字を書いては頭を掻き回すという事をくりかえしている。
「くそ、大本営も無茶な作戦指令を出しやがる。」
そう呟いていると、時計が午前零時を告げる。
重苦しい、鐘の音を聞いていると外からも鐘の音が聞こえてくる。
不思議に思っていると、壁に貼り付けてある可愛らしい手書きのカレンダーが目に入る。
「あぁ、元旦だったか…… 早く、終わらせてみんなに挨拶にでも行ってやるか」
そう呟きながら今日は、まだ明かりが灯っているだろう酒保を思い浮かべながら作業を続ける。
そうしていると、コンコンと控えめなノックの音が部屋に響く。
誰だろうかと思いながら、返事を返す。
「どうぞ開いてるぞ。」
すると、おそるおそるドアが開いて可愛らしい顔が部屋をのぞく。
「提督、榛名です。 入ってもよろしいでしょうか?」
そう言いながら、心配そうな目をしている我が艦隊の旗艦をみるとちょっと苛めたくなりいつもとは違う返事を返すことにする。
「あぁ、今は遠慮してくれるか? 新年からの艦隊運営と作戦への備蓄について考えているから」
それを聞いた榛名は、「そんな…」と呟いてちょっと涙目になりながら
「提督、お手伝いします。 榛名は、この艦隊の旗艦ですから」
と言ってきたので、とりあえず廊下は寒いだろうと中に招き入れる。
「しかし、ここ2日は遠征当番以外は休みを出しているしな」
そう言いながら、一度手を止めて彼女をみる。
それを聞いて榛名は、執務机の前まで来ておれを見る。
「じゃあ、提督もお休みしましょう? もう時間も遅いですし……」
「いや、これだけはやっておきたいんだが……
まぁ、榛名が言うなら明日にでも回すか」
そう言って、執務机の上を片付けて立ち上がると榛名が自然に側にくる。
その左手を、とって薬指にはまってある真新しい指輪に触れる。
榛名を見ると、可愛い顔に微笑みを浮かべていた。
そして、彼女が言う。
「提督、新年あけまして、おめでとうございます! 本年も、金剛型四姉妹と榛名を、どうぞ、よろしくお願いいたし ます。」
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