艦これSS 大型建造 大和建造の為に(書けば出るを信じて……) 「提督っ! 次の作戦のために貯めてた資材がなくなってるんですが……」 と司令部のドアが開いて、秘書官の榛名が入ってきて早々に不機嫌な声を出した。 俺は、あらぬ方向を見ながら 「いや、零観がいると聞いてね……」 と言い訳を口にすると、榛名が目の前まで歩いてきて俺の顔を覗き込みながら追求する。 「第一ドッグが提督の権限で立ち入り禁止になってるときいたのですが?」 「うっ……」 俺は、答えに詰まって立ち上がり窓の方に足を向ける。 窓を開けると、暖かい春の風が司令部に流れ込んでくる。 「今年は、花見に行かなかったな…… 今度、靖国にでも参拝に行くか」 と口にすると、榛名はため息をつきながら俺の隣に来て窓の外を眺めながら 「そうですねぇ…… 提督は、何年も参られてないのでしょう?」 と聞いてくる。 俺は、鎮守府の中庭で遊んでいる第六駆逐隊を目を細めて見ながら靖国にいる同期の顔を思い浮かべようとする。しかし、月日が経つにつれ曖昧な表情しか浮かんでこなくなっていた。 「まぁ、仕方ないか…… そーいえば、榛名は新しい砲が欲しいと言っていたな」 と話を逸らすことができたと思いながら、榛名に声をかけると 「いえ、榛名にはもったいないです!」 そう言いながら、頬を少し染めて手を降っていた。 そんなとこがかわいいなと思いながら思いを口にする。 「いやいや、次の作戦のためでもあるからな。 当鎮守府で旗艦を任せられるのは榛名ぐらいなんだ、頑張ってもらわないと」 榛名に、笑顔を向ける。するとその本人は、思案顔になって 「金剛ねぇさんもいるじゃないですか……」 と呟いた後何かに気がついて聞き返してくる。 「提督…… この前のネックレスどうしました?」 俺は、それを聞いて冷や汗をかきながらその質問に答える。 「新しく来た潜水艦がいただろ? あの娘にあげたんだが?」 「1つだけですよね? あのとき、提督は2つもってらっしゃいましたよね?」 と質問を被せてくる。 それに、答えようとしたとき司令部のドアが開いて建造妖精が入ってくるなり報告を口にした。 「提督さん 大和できましたよー…… あれー? 秘書官さんには内密でしたね」 俺は、恐る恐る榛名のほうを向いた。 「榛名これにはだな……」 「てーとくのバカー!!」 そのとき、司令部から砲撃の音が鎮守府に鳴り響いた。 煙の上がる窓の下では、第六駆逐隊の4人が楽しそうに鬼ごっこをしていた。 [戻る] |