おもいびと
◆原罪9
繰り返される過ちの日々。
おれを抱いて、安定を得る陸。
おれは、陸に抱かれながら。
自分たちが何者なのかを自問し続けた。
どうして、おれは………
どうして、陸は…………
疑問ではなく、後悔と不安
おれたちは多分、もう元には戻れない
それならいっそ………このまま堕ちて
全てを欺いて
ふたりで生きていこうか………
おれは、そんな罪深い事を思い始めて。
陸は黙って、穏やかな表情のまま、おれの傍に寄り添っていた。
おれたちの行為は。
インサートを伴わないだけの。
セックスそのものだった。
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