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おもいびと
◆うつろい3





十月も下旬に差し掛かって、冬が近付いてきていた。



代わり映えのしない毎日は相変わらずで。

居候の身の上のおれは、家政婦然として柊司さんの生活空間に居続けた。



彼の生活空間に生活感がないのは、料理をしない事にあるとおれは気づいた。

どんな家でも、料理をすることによって染みつく匂いとか汚れとかがあって当然なんだが。

換気扇まで新品同様なのを見てしまうと、やっぱり原因はそこにあると思えた。



もちろん、几帳面な暮らしぶりなのもあるけど。

ちゃんとメシくらい作れよ……と言いたい。



彼氏の百瀬さんも料理は作らない。

だからふたりはもっぱら外食で。

百瀬さんは柊司さんを甘やかし放題だ。



ベタ惚れなのは分かるけど。


男同士……って。

そんなもんなのか?



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あきゅろす。
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