おもいびと
◆原罪3
キスもハグもいつもの事なのに。
いつもとは違う何かがあって。
追い詰められるような焦燥感が湧き上がる。
「好き…………海斗」
陸の顔は子供のそれではなかった。
甘えたいと乞うその願いは、いつの間にか男の欲を帯びていて。
唇を吸われて、忍び込む舌に誘われて。
おれはまた、どうしようもなく応えてしまう。
愛しくて。
抱きたくて。
壊してしまいたくなる衝動と、ひたすらおれだけを求める無垢な愛情を実感する。
おれたちは
こんなに惹かれ合っているのに
魂は相手を求めて止まないのに
どうして
同じカタチを持って生まれてきてしまったのだろう
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!