おもいびと ◇禁区4 海斗に許されたおれは、嬉しくて舞い上がってる。 学校でも、みんなが驚くくらい明るくなったって言ってくれて。 夏休み明けから急に友達が増えた。 おれって、そんなに暗いイメージだったのかな。 自覚はないんだけど。 確かに、今の気持ちはすごく軽くて。 嬉しくて、毎日わくわくして。 ──────ドキドキする おれは、海斗が帰る前に夕飯の支度を済ませたかったから、友達と長い時間遊んだりはしなかった。 付き合い悪いって言われたりもしたけど。 親が厳しいんだ……って嘘ついて。 おれは、海斗のために生きてるって実感できて嬉しかった。 たったひとつだけ欲を言えば、互いに『したい』って言った事をしていないのが気になって。 でも、恥ずかしくて。 今さら『したい』って言えなくて。 気になるっていうか……すごく気になっていて。 おれは、海斗を感じたかった。 海斗を見つめて。 海斗に触れて。 海斗にキスして。 うっとりと酔うような、海斗の赤く潤む顔が見たい。 海斗は……どんなふうに、気持ちいいって言うのかな。 どんな声でいくのかな。 そんな事ばかり考えているおれは、最近すぐ勃って困ってしまう。 やだな………。 海斗が言う通り、男ってみんなこうなのかな? ちょっと好きな人の事を考えただけでこんなに勃ってたら。 学校では一時間につき何人の男子がここを勃たせているんだろう……って、気になる。 女子が男子を『キモい』とか言ってる時って。 こんな下心に気付いているからなんじゃないかな。 考えすぎかな……おれ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |