おもいびと ◇穢れなきもの7 おれは、教えられてしまった。 セックスと言う行為が本当に存在する事を。 自分たちの身体の変化は、セックスをするためのものだと言う事を。 女の子の身体が変わってゆくのは、男の身体を受け入れて、子供を作って育てるための変化なんだと言う事を。 ペニスが硬くなるのは、女に挿れるためなんだと言う事を。 そして。 子供を作るための種が。 あの 熱い迸りの中に入っていて。 そのために、女の膣に挿れなければならないんだって事を。 男子たちはそれをしたくて堪らない。 疑似セックスであるオナニーにも熱心で、少し遊んでいそうなグループの男子たちは、そんな事ばかり話していた。 おれは。 途方に暮れた。 おれが触れ合いたいのは女子じゃない。 気持ちいいことをしたいのも。 触れて欲しいと思うのも海斗だけ。 気持ち善くて。 嬉しくて。 とても幸せだったあの時間は。 本当は、女の子との時間じゃなければダメなのかな。 おれは海斗しかいらないのに。 それじゃあダメなのかな。 どうしてもセックスしなければならないなら、海斗としたいって思ったらダメなのかな。 おれか海斗が、女の子じゃないから。 他の女の子を好きにならなければダメなのかな。 そんなの。 無理だと思う。 おれは 海斗しか欲しくない 海斗しか見えない 海斗しか いらない [*前へ][次へ#] [戻る] |