おもいびと ◆イノセント5 「や、あ、あ!出る!出ちゃう!」 興奮が極限まで高まって。 ブルッと背中を震わせてから、快感に伴う緊張を示した。 「たすけて……海斗、海斗!……やああ─────っっ!!」 一際切ない声を上げてから。 弟は、おれに背中を預けて仰け反って。 痛々しく勃起する性器から、勢いはないがドロリとした大量の精液が吐き出された。 弟は涙を滲ませて、おれに背中を預けたまま大人しくなった。 おれは不覚にも、涙目でおれに凭れかかる弟の、小さな柔らかい唇に誘われて。 慰めを与えるかのように、肩越しのキスを贈っていた。 オナニーが、オナニーではなくなってしまって。 本当に、誰も弟には触れさせないと勝手に思い込むおれがいて。 その後の弟がどうなるかなんて、予測も出来なかったおれは。 思い上がったただのガキだった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |