僕らの願いが叶う頃【I love you.I『trust you』】 love me tender3 「──芳」 やたら色っぽい視線でおれを挑発する諏訪は、どうやら発情したらしくて。 膝立ちでおれの身体に密着したまま、上からキスを落としてきた。 舌先でおれの口を舐めて。唇と舌を吸って。 おれの官能を呼び起こす。 腹に当たる熱い欲望は、硬く勃ち上がっておれを欲しがっている。 抱きたくなったのか。 また抱かれたいのか。 諏訪がどんなかたちで欲しがっているかが分からなくて、おれは諏訪のリードに任せた。 キスをしながら、諏訪は自分でパンツを脱いで、おれからもパンツを剥ぎ取った。 ベッドの上に座ったおれに跨がったままの諏訪は、キスを繰り返しておれの不埒を充血させる。 硬く勃ったおれが諏訪の尻を押し上げるように当たって。 すっかりその気になったのを確かめてから、ローションでおれをヌルヌルにして諏訪の秘孔に圧し当てた。 窄まりを取り戻しつつあった円環を拡げて、挿入っていくのが分かる。 「──ん。………は…ぁ……」 充実した挿入感に興奮して、期待に震える身体がゆっくりとおれを呑み込んでゆく。 おれを包む熱い粘膜を通して、おれの先端が諏訪の快楽の実に触れた。 「あっっ!?」 思わぬ刺激に緊張を見せる。 諏訪の戸惑いに触発されて、おれは震える身体を抱きしめた。 互いの大腿が触れて、おれの屹立が諏訪の最奥まで深く繋がる。 「ふ………んぅ……。芳ぅ……」 蕩けそうな顔でおれを呼ぶ。 コイツのこんな風情には敵わない。 「朱鷺は………。今夜はどうしてほしい?」 抱き寄せた頭を撫でながら訊ねると、諏訪は甘えた声で応えた。 「優しくして……」 「──たくさん興奮しなくていいの?」 おれは諏訪の様子に合わせて、甘い言葉で訊ねた。 「うん」 ぴったりくっついて、おれたちの体温が溶け合う。 そんな一体感を堪能して、諏訪は興奮よりも安心を欲しがった。 「可愛がってあげればいいのかな?」 「うん」 「じゃあ。お姫様みたいに抱いてあげる」 おれは、諏訪の身体を抱き上げてベッドに倒した。 壊れ物を扱うようなキスとセックス。 おれは姫プレイに挑戦した。 うんと甘い優しい言葉を選んで、まるでバージンを扱うようにしながら、ちゃんと興奮出来るように刺激は与えてやる。 うん。 これはこれでなかなか趣があって燃える。 諏訪もすっかりその気で。 羞じらったり戸惑ったような仕草を見せるから、おれは何だか妙な興奮に煽られて。 おれにとっては、思い切り突き上げて盛大に啼かせたい衝動を抑えるという我慢プレイで。 端無くも、おれたちは新境地を開拓してしまった。 すっかり姫プレイを気に入った諏訪は、その後もおれに侍従でいることを求めてきた。 おれとしては、せめて王子とかじゃねぇの?……とか思いながら納得出来ないでいたが。 諏訪には諏訪のこだわりがあったようで。 まあ。 なりきりでこだわるところがマニアックだな。 イク時でさえ、諏訪は声を圧し殺して徹底していた。 そんな羞じらいを目の当たりにして。 虚構と知りながら、興奮しまくったおれは、途中から本当に混乱して。 諏訪がやんごとなき身分の姫君に見えてしまって、畏れと罪悪感の入り交じったアブノーマルな快楽に呑まれて。 最後には反射的に中から抜いて、初めて諏訪の身体の上に大量の分身を放出した。 中に出す罪悪感までリアルに付きまとって、おれは筋金入りの変態だと実感する。 飛ばしすぎて、諏訪の顔まで汚して。 結局はエロさ倍増で。 興奮させられたままのおれは、そのまま二回戦目に突入してしまった。 週末のバイトの後の泊まりもそんな感じで。 おれたちは、いつもにも増して甘い時間を過ごしていた。 [*前へ] [戻る] |