[携帯モード] [URL送信]

僕らの願いが叶う頃【Welcome to the『HOTEL CALIFORNIA』】
国際親善3



御堂の威嚇をものともせず、オッサンは満面の笑顔でおれに迫った。

多分身長は2メートル。
体重は100キロ以上はゆうにある。
とにかくデカイ。

オッサンは、HA!HA!HA!HA!……と笑いながら、また性懲りもなくおれを抱き上げてささやいた。

「カワイイネ……」

「Why are you doing this?」

「A very lovely boy ダキシメタイ」

なんだ、ただのナンパかよ。

「No,thanks」

おれは呆れて断ると、下から御堂の声がするのに気付いた。

「諏訪。おい、諏訪」

御堂が下にいるなんてすげぇや。


「知り合い?」


状況がいまいち掴めなくて、御堂が困っていた。

しかも、周りにはオッサンの連れも居て、異人種だらけ。
この人種の混在具合は、たぶんアメリカンだな。
御堂は、cutie 扱いされて構われている。

そうか。
おれたち図らずもペアルックなんだよな。
全く同じブラックのNー3BとALPHAのブーツ。
ジーンズも変わりないし、ニットキャップが違うくらいじゃ、兄弟か何かの縁の人物にしか見えないだろうな。

「ダレ?トモダチ?」

日本語出来るじゃん。

「My honey」

「ホント?」

「うん」

おじさんはおれと御堂を交互に見て。
心配そうな御堂の視線に気付いて、おれを降ろして御堂に返すような仕草を見せた。

「ゴメンネ」

御堂に悪戯っぽく笑いかけて、おれを押し付ける。

いや。
昼間っからこの往来のど真ん中で、それもどうかと思う。

「We are ヌイヨーカラキタ。フードパーク6チョウメイク。ドコ。ワカラナイ」

ナンパしないで最初から聞けよ。


「OK!おれたちもこれから行くとこだから……Come with us」


おれはオッサンとその一行五名様を引き連れて、地下通路を西へ向かった。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!