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高校バニラボーイズ【謹賀新年】
高校バニラボーイズ【謹賀新年】6



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ふたりは、何度もキスを交わしていた。

あれからすぐに最高の絶頂感を味わって、ほぼ同時に灼熱を湛えた欲を吐き出した。

体液を拭っただけの、しっとりと汗ばんだ肌を寄せ合って。
互いの表情の中に安心と愛しさを育てて。

与え合う熱が愛しくて。
触れ合いながら情を注ぎ合っていた。



好きで。

好きでたまらなくて。

どうして、こんなに泣きたくなるほど愛しいんだろう。



どうして、傍にいられるだけでこんなに幸せなんだろう。



尽きない情も、欲も。
認めてしまえば、それは歓びでしかなくて。




ふたりは目の前の存在に、呆れるほど夢中になっていた。





目が覚めると、リョウマは腕の中にシュウヤを抱いていた。

目の前にある寝顔が綺麗だ。

暖かいベッドの中で、安らぎに包まれてしばらく見惚れて。
その穏やかな寝息が嬉しくなった。



『安心と信頼』



そんな言葉がリョウマの頭に浮かんで。
セキュリティか!?……と自分自身にツッコミを噛ます。

でも、ある意味セキュリティかな、とも思う。

「お嫁においで」
と、言ってくれたシュウヤ。

こんな自分のこんな夢が叶うなんて信じられなくて。
シュウヤになら、全てを預けられると思った。

お嫁さんには憧れるけど、男子である自分は、やっぱり好きな人を守りたいとも思う。

ずっとシュウヤに寄り添って、守っていきたい。

そんな風に決意する。



そして。

身体を繋いで。
甘えて、甘やかせて。

どちらかが一方的に役割を持っているわけではなくて。

互いに与え合う関係に、心が満たされる。



自分があんなに乱れて何度も達してしまったのを見て、シュウヤはどう感じただろう。

「自分に乱されるリョウマが愛しい」とか。
「愛に応えるリョウマの在り方に癒される」とか。

そんな言葉で伝えてくれるシュウヤの心の中では、きっと自分もそうなりたいと望んでいるんじゃないかと思えて。



リョウマはシュウヤを抱きたくなった。



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あきゅろす。
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