高校バニラボーイズ【謹賀新年】
高校バニラボーイズ【謹賀新年】5
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「──っっ!?」
それは、突然やってきた。
それまでは、浅い眠りに揺蕩うように、シュウヤに抱かれる自分の姿を瞑想しながら、穏やかに目を閉じていたけれど。
やがて、外界の刺激から遮断されたような感覚が訪れて。
微かだった疼きが、骨盤の奥からの強烈な痺れへと膨らんでいった。
身体の内から湧き出る、絶対的に支配する快楽に育ったそれは。
あまりにも強大過ぎて。
リョウマの自制心を毟り取るようにして奪っていった。
「ああぁぁぁぁっっ!!」
リョウマは言葉を失って、喘ぎよりも悲鳴に近い声を上げた。
「い……やっ、あっっ!!……ぅああぁぁぁっっ……!!」
自分の身に何が起こったのか分からない。
ただ、強烈な興奮と快感に呑み込まれて泣き叫んで。
興奮に火照り、喘ぐ身体は。
快楽と共に繰り返し硬直して。
繰り返す戦慄きをどうすることも出来なかった。
「リョウマ!?」
シュウヤの声が遠くで聞こえる。
それは歓びの色を見せて、リョウマに寄り添っていた。
「リョウマ……。凄い、リョウマ」
劇的に変化したリョウマの反応に悦びを得たシュウヤは、その熱い身体を感無量で抱きしめて、深く情を注ぐキスを贈った。
「──っあ!?……来る!や、また……ああっっ」
快感は消える事なく、全身が蕩けそうな愉悦を遺しながら、再び大きな波となってリョウマを押し包む。
終わりの見えない高潮のような快楽の波が、リョウマを捉えて翻弄し続ける。
「シュウヤ……。シュウヤ!」
「リョウマ。どうしたの?」
「怖い、シュウヤ……。もう、……や。……っああ──っっ!!」
ぎゅうっと抱きついて、シュウヤを離さない。
リョウマは、全身を快感に攫われて、何度も高みに到達した
こんなに全身を支配して、感情まで支配されるような快感なんて初めてで。
やっと少しだけ引いた波から解放されて、ぐったりと疲れ果てた身体をベッドに投げ出すように放心していると。
シュウヤがリョウマの変わらない象徴を見つめてほくそ笑んだ。
はち切れそうに硬く膨れ上がった茎の先端が、赤く痛々しいほど張りつめて。
透明な蜜を溢れさせてヒクヒクと震えている。
そこはまだ達してはいなくて、シュウヤを誘っているように見えた。
シュウヤは堪らなくなって、唇にキスを落としてからそっとリョウマの先端に口づけて。
リョウマが喰い締めている性具に手を伸ばした。
「シュウヤ……。もぅ、や…………」
切なげに訴えるリョウマの泣き声がたまらなく可愛い。
きっと、絶え間ない絶頂で、シーツに溶け落ちてしまいそうな快感に支配されているに違いない。……とシュウヤは察していた。
体外に出ているフック部分を指で軽く引いて、局所への圧迫を除いてやると、強烈な快感から解放されたリョウマの全身が柔らいで、少しだけ緩みを見せた。
固くひくついていた花芯が開いて、少しずつ性具が引き出される。
「――あ。……あ、あ、」
薄い鄒壁が再び進展して、体内から徐々に窄まりを拡げて塊が現れる。
感覚が鋭敏になったリョウマは、中心を襲うゾクゾクとした快感を覚えながら、どうにかなってしまいそうな狂おしさにじっと耐えていた。
シュウヤはそんなリョウマの従順が愛おしい。
「リョウマ……可愛いね。……そのまま少しいきんで?ちゃんと出さないと、おれが挿入れないから」
ただでさえ火照っていた顔が、羞恥と共にカアァァァァッッ……っと熱くなった。
肌をなぞるように触れる指先にも快感を落とされて。
乱されて。
リョウマは恥ずかしくてたまらない。
体内から異物が出るところを見られている。
そんな事を今更実感してしまって、あり得ないほど興奮した。
攣縮するように固く喰い締めているそこから、少しずつ抵抗を確かめながら淡いピンク色の塊を引き抜いた。
それまで、リョウマの中に在って、いけない刺激を与え続けていた性具は。
リョウマの熱とぬめりを帯びていて、興奮に追い詰められたシュウヤを煽る。
じっくりと時間をかけて、中ほどまで引き抜くと、後は容易くするりと続いて、ちゅぷ……っと、湿性の音と共にリョウマの中から全貌を現した。
「────っっ!?」
喉を不安げに鳴らして、ふるふると背中を震わせる。
そんなリョウマを目の当たりにして、自制を失ったシュウヤは。
トロリとほぐれたリョウマの魅惑的な泉に、自分でも信じられないほど熱く滾った欲を埋めた。
「あ」
間を開けずに再び侵入してくるものの存在に気付いて、リョウマは思わず声を洩らした。
「──ぁあ…………あんぅ……」
徐々に触れる互いの肌のぬくもりと、徐々に深く侵入してくる熱にほだされて、抱きしめる。
「リョウマ」
抱き寄せた吐息に交じるささやきが、官能に追い立てられるような切迫感を示して。
リョウマの全身を甘く疼かせた。
「シュウ……ヤ。……いい。気持ちいい。……シュウヤ!」
熱く湿った肌を合わせて、腰から下が蕩けそうな快感に満たされて。
身の置き所がなくなるほどの甘美な苛立ちに、リョウマは身悶えさせられた。
「シュウヤ。……シュウヤ。どうしよう、シュウヤ」
戸惑いを伝えるリョウマの言葉が、シュウヤを更に甘い気持ちにさせる。
「なに?」
「もう……いっちゃいそ」
深く繋がっているだけで、喘ぐ呼吸が切迫して。
余裕なんて微塵もない。
「動いてもいないのに ?あ、でも、いい…………」
快感に支配されて、ひくひくと震える秘所に喰い締められて、シュウヤもまた夢中になる。
「動いてもいい?」
「や。も、……いく」
リョウマの甘く切ない声がたまらない。
シュウヤは抽挿を繰り返して、疼きを快感に変えて自身をも責め立てた。
「い……ぁあっっ」
「リョウマ……リョウマ!いい……。リョウマの中、すごく、熱くて……気持ちいいよ」
眉間を歪めて、快感を喰い締めるシュウヤの表情が、リョウマを更に愉悦に落とす。
余裕なんて微塵もない。
掻き乱される感情と快楽で興奮した身体はどうにもならなくて。
ただ、本能の赴くままに快感を貪る。
優しくしたいと思っていた気持ちも。
興奮するだけの行為なんて……と蔑んでいた理性も。
この魅力的な存在のまえでは跡形もなくなって。
どうしようもなく淫らに溺れてしまう。
好きだという気持ちが。
こんなに激しくて。
こんなに欲深いものだったなんて知らなかった。
好きな人を喜ばせたいと思っての事が、実は自分の悦びのためだったなんて。
これが、本気で恋をすることか……と、ふたりはその熱さを実感して。
今はただ、素直な欲を向け合える存在に夢中になりたかった。
「シュウヤ……シュウヤ!……いく、もう」
「リョウマ……いって!もう、おれも……」
絶え間ない刺激を与えながら、シュウヤはサワサワと背筋を走る快楽の兆しで、行為の終わりを予感していた。
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