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高校バニラボーイズ【謹賀新年】
高校バニラボーイズ【謹賀新年】11



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「リョウマ」

「うん?」

「タチとネコ。どっちが好き?」



二度目の入浴で心身ともにすっきりしてから、ふたりはベッドで戯れて。
大好きな相手の体温を感じる距離が嬉しくて。
キスをしたり髪を撫でたりと、イチャつきながらスキンシップを楽しんでいた。

どういう意味かな……と思いながら、リョウマは思うままに応える。

「シュウヤ」

「…………」

以前にも似たような答えを聞いたことがある。と、シュウヤは思い出した。

「おれは、シュウヤが好き」

ぎゅっと抱きしめて、髪にキスを落とす。
そんなリョウマにほだされて、シュウヤの胸がきゅうぅぅ……っと疼いた。

こんなスイーツな事をまだ言ってのけるから、リョウマはいつまでも初々しくて可愛いと思う。

そんなリョウマの願いを叶えたいから。
まずは受験を頑張って、なんとか志望校に合格して。
一応年上の自分が、堅実に就職して自立しよう。

シュウヤはそう心に誓って。
守られているのか甘えられているのか。
今一つ区別し難いリョウマの抱擁に圧迫されて、苦しがっていた。

それでもやっぱり、リョウマとの関係は甘いなあと思う。





『おれの種欲しいか!?孕みてぇか!?』

『押忍!先輩、自分の腸奥にザー汁ぶちまけて欲しいっス!』

『おら!もっとケツ振れ、この淫乱野郎!』

『押忍!ああ!いいっス、気持ちいいっス。先輩、もう……』

『ほら、いけ!スケベな汁出しやがって、この淫乱メス豚野郎。ケツマンコ感じてんのか!?』

『押忍!押忍!押忍!押忍!』

『おらおらおらおらおら』

『ぬおおおおお────っっ!!』

『くはぁぁぁぁぁぁっっ』



…………………………。





……とかいう男性的な交合表現を目にした時。
『絶対無理!!』と思った。
だから、自分は誰とも付き合えないとも思っていた。

リョウマは草食系男子ではないけれど。
少なくとも乙女なので、甘い関係でいられる。
シュウヤはそれが嬉しかった。

「──リョウマは……」

「シュウヤが好き」

カアアァァァァァァッッ……と、赤くなったのを自覚する。

顔だけじゃなくて全身が熱い。
何度も断言するリョウマを前にして、シュウヤはもう何も言えなくなって。
今年のカレンダーも、きっとリョウマとの事で埋まってゆくんだな……と予感した。



嬉しくて、照れくさくて。

思わず照れ隠しにリョウマの頭を撫でる。

「──よしよし」



髪の手触りは腰が強くて、撫でられて目を細めるリョウマを見て。
大型犬の手触りを思い出したことは言わないでおこう……と心に誓った。



高校バニラボーイズリターン『謹賀新年』
――終――



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