RISING SUN
ねがい5
後日。
店長の戦略が動画サイトを乗っ取った。
トーマスとのセッションと関連させて公開されたライブ映像は、ニューヨークから配信されて。
それは国内のみならず、特にヨーロッパでのアクセス数が予想を遥かに上回り、テロップで流れた英訳の歌詞とともに話題に上った。
CD制作はインディーズレーベルだが、流通はメジャー。
おれにはよく分からないが、店長の思惑はやがて彼らを幅広くプロデュースして。
連中のCDは店長の思惑通り店頭で紹介されるようになっていった。
おれはまだ迷っている。
傍に居てもいいのか?
本当に?
おれは、おまえが好きなのに、どうしていいか分からなくて、頭の中が真っ白になってしまった。
今のおれに残された、たったひとつの道。
それは諏訪を押し上げる事。
何があってもおまえを支えられるように。
おまえが心置きなく音楽を愛せるように。
おれは、おまえを留めようとする全ての枷から、おまえを解放してやりたい。
それだけは変わらない。
おれの願いだ。
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