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RISING SUN
ねがい4



いつか。

きっとすぐにでも。
諏訪は業界で認められるようになる。

より多くの視線に晒されて、より多くの人の関心を得る。
それは、よりリスクから回避しなければならない在り方で。
それが諏訪の目指すものであるなら、自分はこのまま諏訪と関わっていて本当にいいのだろうか。



贈られる柔らかいキスに絆される。

触れる唇が、やがておれの唇を包み込んで。
熱い、熱の籠った舌先で、鎮まりかかったおれの快楽を再び掻き乱す。

「おれは……」

「うん?」

首を舐める諏訪の舌先が、ゾクッとする冷たい快感でおれを追い詰める

「おまえの傍にいていいのか?」

おれの言葉に引っ掛かりを覚えたように、諏訪が組み伏せたままのおれを見下ろした。

「いなきゃ……ダメだと思わないの?」

「わかんね」

正直に応えて目を閉じる。
真っ直ぐに見つめる視線に耐えられない。

「離さないよ、芳。……離せない」

また、ギュッと抱きしめられて熱い体温が溶け合うような感覚に落ちる。
中心が触れ合って、諏訪の正直な欲が伝わってきた。

「――離れない」



諏訪の熱に誘われて、おれは端無くも欲情した。



ふたりなら迷いなく生きていけるのか

ふたりだから迷うのか



たとえ道に迷ったとしても、こうやって傍にいて

互いに熱を分けあって
支えあって

まっすぐに立って、歩いていけるなら

こんな生き方も、許してもらえるのだろうか



…………許してもらう?

誰に?



本当……

誰にだろう

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あきゅろす。
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