RISING SUN
ねがい1
諏訪の願いを叶えたい。
叶えるための支えになりたい。
おれは、そう心に誓っていた。
家の事がどうしてもしがらみになると言うのなら、おれがそのしがらみにこの身を捧げよう。
そう考えて、決意して、あり得ない進路に向かいながら、悩んで、迷って。
それでも、おれは諏訪に歌わせてやりたかった。
おれが諏訪の家を継ぐことで、諏訪を自由にしてやれるのなら……。
そんな自己満足な苦労に浸って。
それでも自分自身の進路も捨てきれなくて。
あり得ない教科数をこなして、偏差値を維持してきた。
諏訪の耳に針すら刺せなかったこのおれが、医師になんて本当になれるのか……と、自問しながら。
それでも諏訪のために……。
それは、傲慢な考えだった。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!