RISING SUN
登竜門4
「──ありがと、芳」
一方的にいやらしく責め立てて、おれを淫らに啼かせてイかせた諏訪自身は、おれの分身を飲んだだけで満足したようで、腰砕けで身動き出来なくなったおれを抱きしめた。
「意味……分かんね」
「戻れる?」
おれの発情しきった顔を覗き込んで、諏訪が吹いたように笑った。
自分は興奮を溜め込んだままでいるくせに。
エロい表情でフェロモン全開の諏訪の毒にあてられて、おれは恥ずかしすぎてばつが悪い。
「──おまえは?」
「おれはステージで仕事」
鼻先を突き付けて、クスクス笑いながらキスを寄越す。
甘い
甘すぎる
おれは野郎だってのに、こんなに甘やかされたら、照れ臭くて死にそうになる。
「また、演るのか?」
「うん」
認める諏訪の蕩けそうな表情が示す。
そういう事か……と、納得した。
おれは、諏訪が演奏するための、言わば煽りのための前菜だったわけで。
だから、今はおれだけがイかされたんだ。
ということは、また、ライブでやたら興奮して帰ってくる諏訪との『後』がある訳で。
なんだか複雑な気分だ。
後で『やる』宣言を噛まされた、初夜を迎える花嫁みたいな……。
あ?
おれが『嫁』?
それは
なんか、嫌だ
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