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RISING SUN
漢の証明1



ヒトサマに顔向け出来ない行為をしておきながら、偉そうに命令する諏訪のふてぶてしさが信じられない。


……助かったが。



コイツの他人に対する感情は相変わらず爬虫類並みに鈍そうだ。
と言うか、そもそも爬虫類に感情が存在するのだろうか。

おれは改めて諏訪のひととしての在り方に疑問を抱くに至った訳だが。
しかし、もしかしたら感情が見えないだけで、コイツはコイツなりに動揺していたのかも知れない。

おれの兵隊さんは勿論だが。
諏訪の猛獣まで大人しくなってしまった訳だから。

「──少し、仮眠とろう」

諏訪は何事もなかったかのように、寝袋を引っ張り出して広げた。

おれがズボンを上げていると、さっさと寝袋に入った諏訪が、隣の空いたスペースをポンポンと叩いて、おれに入ってくるように促してくる。

デカイ寝袋だと思ったら、二人用か。
つか、カップル用だな。

普通は使わないようなこんな製品の存在は、何やらキッチュだ。

「こんなの、どこで売ってんだ?」

「男の通販」

「なんだよそれ」

おれは諏訪の隣に潜り込んだ。

「こんなこともあろうかと……」

「おまえはどこぞの技術者か」

呆れて思わずツッコミを入れる。

近くに諏訪の顔があって、その無表情が少しだけ艶を帯びた。

「まあ……遠慮しないで」

「──え?」

戸惑うおれの上に、また諏訪が乗ってきた。



……え?

ええっっ!?



「いや!……なに!?え!?……ちょっっ……なに復活して……」

おれを抱きしめてくる諏訪の体が熱い。
夜になっても風通しが悪くて暑いテントの中では、この体温は拷問に近い。

なのに、諏訪はおれに密着したままで。

「ダメ……やっぱスゲエ好き」

そんな甘えたことを、感情を絞り出すように口にして。
なにやら悶々としたオーラを放ちながら、おれを抱きしめて身悶えしている。

「冷たくなんか出来ない」



……………………。



冷たくするつもりだったんだな。

股間はすっかり熱いくせに。



「芳はみんなが注目する。そんなのヤダ!」



──どんな理屈だ!?



「誰にも見せたくない。取られたくない。おれだけの芳でいてほしいのに」



おい!まてまてまてまて!!



諏訪は本気モードに突入して、全身へのキスでおれを骨抜きにする。

ヤバい。
迂闊にも感じてしまった。

つか……え?

ちょっっ!なに勢い余って……!?



諏訪は再びおれのズボンを剥ぎ取って、ためらう事なく股間に顔を埋めてきた。



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