RISING SUN
箝口令2
地元料理店の出店ブースで食事をしていると、頭の痛い事にあろうことか逆ナンされてしまった。
女は三人連れの社会人。
ライブで興奮した身体をクールダウンするはずの冷えたビールで、更に上機嫌になっている彼女たちは、旭川から来たと言う。
おれたちは仕事で来てるから……と、角が立たないようにやんわりとご遠慮申し上げたんだが。
それが逆効果を煽って、スタッフ用のネームをしっかり確認されて、質問攻めに遭い。
……音楽関係者ってだけで、なんでこんなに持てはやされるんだと呆れつつ、おれたちは早々にそこから引き揚げた。
ゆっくり食事も出来やしない。
だいたい諏訪は目立ち過ぎだ。
美形な彼氏を持つと、女でなくたって苦労する。
いや、女なら余計苦労していた。
半ば逃げ出すようにブースを離れたおれたちは、個人で用意してきたテントに向かう。
休憩して来いと言われてきたからには当然そこで休む訳で。
おれたちはふたりでテントにもぐり込んだ。
テントに入るなり、諏訪からの尋問が始まった。
押し倒されてマウントポジションをとられて。
お約束通りの展開に笑えない。
まさかな……
こんなところではしないよな?
そうタカをくくっていたおれは、本当に甘かった。
事情聴取と誘惑と。
高等テクを駆使しておれを落とそうとする諏訪は、尋常ではないモーションでおれを惑わせる。
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