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獣道はいりました
手探りなふたり2





あっというまに時間が過ぎて、おれはラブホのベッドの上で、バスルームから女が出てくるのを待っていた。
おれは、部活の後にシャワーを済ませていた。

待っている間、期待と妄想で、胸と股間が否応なしに膨らんでしまう。

しつこいようだが、おれはあまりこういう事に、不自由したことはない。
ほどほどにそれなりの付き合いがあるし、自分でもコントロールしている。

だが、今だけは、諏訪が残した跡を期待して、おれはこの女が欲しくなった。

欲はそこそこ満たされていたとしても、おれは諏訪に餓えていた。

バスルームのドアが開いた。

先輩は、バスタオルを巻いただけの体で、まっすぐにおれが待つベッドへと近寄って、そのままおれに迫ってきた。

「おまたせ」

彼女がおれの唇に軽くキスする。

質感のない、薄い小さな唇だった。
この感触はあまり好みじゃない。

諏訪の張りのある唇が、やはり最高だと思い知ってしまう。

ああ……。アイツとキスしたい。

震える肩が愛しくて、ぎこちなく応える舌が可愛いかった。

女とキスしながら、諏訪とのキスを思い出して、おれの股間は疼いて堪らなくなってしまう。
おれは、彼女をベッドに押し倒した。

この体を諏訪が抱いたと思うだけで、興奮と嫉妬でおかしくなってしまいそうだ。

倒錯した感情だと分かっている。
まともじゃない行動だって分かっている。

だけど、諏訪の示す『おあずけ』は、おれには限界に近かった。

余裕なんてない。

忙しなく肌を撫でて、その肌にくちづけて、おれは諏訪と重ねて見ている彼女の体に夢中になっていた。

「──待って……。そんなにあわてないで。逃げたりしないから」

彼女の声が、突然おれを現実に引き戻した。



やべ……ガッついてしまった



恐る恐る彼女の顔色を伺うと、何だか慈愛に満ちた表情でおれを見つめてくる。

呆れられていないのは救いだった。

「カオルくん。もしかして初めて?」


だろ〜なぁ───。
やっぱりそう映ったか。
この慈愛の由来は母性愛だな。


「ごめんなさい……。おれ」
否定はしないでおいた方がイイ思いが出来そうだ。

つくづくおれって、ヘタに計算がまわって妙に小狡い。
表向きはずっと真面目な優等生で通してきたが、おれの本質はそんな世渡り上手だ。
それは自分でも認めている。

不意に彼女の両の手がおれの頬を包んで、やんわりとキスをしてきた。

「おねえさんに任せなさい。余裕がないなら、少し抜いてあげる」

おれは彼女に身体を返されて、ベッドに仰向けになった。

彼女はおれに体を重ねてきて、そっとおれの胸を撫でて艶然と微笑んだ。

「ホント、いいカラダしてる。十代とは思えないよ。……ここも」

おれのお宝を、愛おしそうに手のひらで押し包んで撫でてくる彼女は、相当慣れているようだった。
彼女だってまだ十代のはずなのに。

「スペシャルサービスしちゃうね」

彼女はキスの後、コッテリと上半身を制覇しておれをいいだけ煽ってから、焦れて疼いて直立不動の兵隊さんに唇を寄せた。

舌の腹がビロードみたいな感触で、柔らかくザラつき、絡む愛撫に蕩けそうな快感を与えられる。
ねっとりと繰り返される刺激がおれを切なくさせて、泣けてきそうな程気持ちいい。

やがて全てを口に含んで、顔を上下させて舌で兜を刺激しつつ、両手をスパイラルさせながら竿を扱かれた。

こんなトルネード攻撃で責められては……つか、どんな技だよこれっっ!?



ちょっっ……ちょっと待て!
それは……
マズイっす!
すぐイッ……



おれのフィニッシュは、桃源郷までシャトルで直行したような速さだった。

「カワイイ……。気持ちイイのに正直なカラダって好きよ」

後始末をしながら彼女は笑った。

そりゃあな……。
逆さまにしても一滴も出ないジーサンとは違うんだ。

だけど、それにつけても情けない。
早すぎる。

「もう少し可愛がってあげる」

「いや……もう」

おれまでオモチャにされてはかなわない。

だけど、彼女はおれの言うことなんて聞いちゃいない。

稲荷まで舐められては、抵抗しようにも力が抜けてヘナヘナになってしまう。まるでプロだ。

どこでこんな技を覚えるんだよ。

もう、どうしようもなくて身体を預けていると、彼女は不意におれの穴に指を入れてきた。

「なに─────っっ!?」

「あん。動かないの!」

「いや、おれ、そういう趣味ないから」

「シュミなんて関係ないよ。気持ちイイの好きでしょう?」

抜いてもらった恩もあることだし、少しは彼女の言うことをおとなしく聞いてみようと思って抵抗しないでみた。

指が中で蠢いて、何だか変な感じになってくる。

気持ちイイんだか気持ちワルいんだかよく分からない。

「やっぱおれ、これはちょっとよくないかも」

ちょっとは遠慮して言ってみたが、彼女は強引で止めようとはしない。

「ええ──っっ!?けっこうみんな気持ちイイって言うのにぃ。トキオだって感じてたよ」

何だと?

じゃあ、諏訪ともこんなプレイをしていたと言うのか。

「ま……初めは抵抗あったみたいだけどぉ」

そこまで言いかけて彼女は思い出しながらクスクス笑い出した。

おれの穴に指を突っ込んだまま笑わないで欲しい。

おれは複雑な心境だった。
先輩は、ハンターのような視線でおれを見下ろして、おれの処女穴を凌辱し続ける。

おれは何だか変な気持ちになってきた。

なんか……おれがやられる感じになってんの?

先輩はクスクス笑いながらおれを犯し続けた。

「――ゲイのエッチが、ここでするんだって知らなかったみたいでぇ」



――ちょっと待て
って事は教えちゃったりした訳か?



「トキオったらなんだかショック受けちゃってぇ。それでも気持ちイイからすっごく乱れていっちゃったよぉ」



おれもショックを受けた



アイツが野郎同士のセックスを知ったなんて。

……と言うより、それ以前に野郎同士がセックス出来るなんて事を知ったとなれば、そりゃあショックがデカイだろう。

これで納得がいった。
今までの挙動不審の数々は、おれを意識している証拠だったんだ。
このおれを性的対象として見ているって事だ。

アイツはどう考えても自分がやられ役だと自覚しているはずだ。
だからこそ、まるでバージンのようにおれを恐れていた。
その気になっていたとしても、怖くておれを避けていたんだ。

ああ……また面倒な事になった。

少しずつ教えてやろうと思っていたのに、いきなり現実の全貌を明らかにされてしまっては、フォローも重労働になる。

なんてコトしてくれたんだよ先輩

おれはあまりの仕打ちにガッカリして、気力を失ってしまった。

「カオルくん。ちょっと力抜いてね〜 」



はぃっっ!?

ちょちょちょちょちょちょっっ!!

なに入れてんのォォォォォッッ!?

いやあああああ─────ッッ!!
ヤメテエェェェ─────ッッ!!



おれはそれから散々弄ばれ。

男子のアナル開発と称して執拗に責められ続け、めくるめく快感のるつぼに何度も叩き堕とされました。


こんなの初めてでした。


自分がまだまだ尻の青い子供だったんだって、思い知らされました。





ちくしょォォォォォォォォッッ!!





───────先輩のバカ





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あきゅろす。
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