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獣道はいりました
Deep affection4





「芳……向こう見るように、身体…横むけて」

両手にミニボトルのローションを馴染ませながら、諏訪がおれを促してきた。
おれは素直に左を向いて、諏訪に背中を向けた。

すると、諏訪はおれの尻の後ろから手を入れて、股間を撫でるようにローションでヌルヌルにした。

なんだか諏訪の卑猥な手つきに、善からぬ不埒な予感がする。

「あの………」

おれは、諏訪の目論見が分からないので、不安と戸惑いがあった。

「うん。ちょっとココ、借りるね」

おれの尻のスリットを撫でながら、何やら嬉しそうに言ってのけた。

痛いことしないって言ったくせに、何やる気満々になってんの?

おれはみっともなくも狼狽した。

「ああ」

諏訪は、おれの恐怖心を察して微笑んだ。

「──や、しないって……。狭義な意味では」

穏やかな表情とは裏腹な、絶対的な質量を持つ凶器を滑らせながら、諏訪はおれの尻に割り込んできた。

「──っっ!?」

おれはみっともなくも、恐怖心で身体を竦めた。

諏訪はそんなおれのビビりを笑って、おれのうなじにキスをした。

「大丈夫。無理な事はしないよ、芳」

スルリと股の間から入ってきた太いのが、秘孔を通り抜けて稲荷の下を通過した。
そして、そのまま前後に出し入れする。

これはいわゆる……。

「脚、閉じててよ?」

諏訪は慣れた仕草でおれを背中から抱いてきた。

「こんな……素股で?」

後ろから稲荷を突き上げられて、なんだか微妙な感覚に落ちる。
グチュグチュと卑猥な湿性の音が室内に響く。

自分は割りと冷静なままなので、一方的に犯されている感じがあって、なんだか本番よりも恥ずかしい。

それでも、恥ずかしさで感じまくって、おれのそこも硬く勃ち上がったままだった。

「ん…っ………ふ…」

おれの背中で諏訪の呼吸が乱れている。

快楽に洩れる声がダイレクトにおれの耳に届いて、ゾクッとした。

規則的に押し上げられ、全身に揺らぎを与えられて、何だかこっちまで煽られて、だんだん変な気分になってくる。

時折、おれの背中がキスで吸われて、チクリとした甘美な痛みに誘惑されて、なんだか股間が疼いてきて……。

背中から胸をまさぐられて、乳首をそつなく捏ねられて、いつの間にかおれの口からは喘ぎ声がこぼれていた。

「芳……。可愛い」

諏訪は肩にキスをして、強く刺激を与えておれの情を掻き乱してから、身体を撫でていた手を股間に持ってきた。

「こんなに感じちゃったんだ?」

「ばか………やめろ」

「ここ、こんなにヌルヌルにして……エッチだね」


諏訪はからかうようにささやいて、おれの竿を握って扱き始めた。

瞬く間におれは快楽に引きずられて、また、乱れた姿を諏訪の前に晒した。

「芳、こっち見て」

諏訪に促されて、肩越しに後ろを振り返ると、諏訪にキスで捕まった。

舌を探られて、さらに奥深くから吸い上げられて、おれは気が遠くなるような目眩を覚えた。
与えられる刺激が快感を喚んで、また熱が上がる。

だいたいこいつは饒舌すぎる。
普段は無口な仏頂面がトレードマークなくせに、おれにだけはやたら甘くて。
しかも、明らかに身体の関係を持ってからの「おれの宝物」的な態度があからさまで。
そして、ベッドではその在り方が最たるものとなる。

身体はどうあれ、おれはいつも抱かれる側のような気がしてならないでいた。

「ぁ…ぅっ……ぁん……」

喘ぎと吐息が混じりあって、おれはガラにもない甘ったれた声で諏訪の愛撫に応えていた。

「──朱鷺」

「なに?」

「キモチイイ……」

「うん。おれも、キモチイイよ。芳」

抱きしめられた背中が温かくて安心する。

気持ちよくて、気持ちよくて、もう、いきたくてたまらなくなってきた。

「朱鷺」

「うん?」

「──いく」

「分かった」

おれの要望を聞いてから、諏訪は強く速くスライドさせ始めた。

おれと自分自身を合わせるように前後させて、一方ではおれの竿を愛撫して導く。

突然の強い快感に、おれは一気に押し上げられ、興奮状態にさせられた。

「──ぅあぁっっ……」

「おれもすぐいくから、いっていいよ……」

おれたちの興奮は一気に加速して、快楽の酩酊状態に陥った。

「いい……!朱鷺雄っっ!」

「芳……カオルッ!」

抱きしめられて打ち付けられる腰が、だんだん痺れてきて、背骨の中心をゾクゾクと快感が昇ってくる。

中心がパンパンに膨らんで、弾けそうになっている。
そこを刺激し続けられると、もうそこからは呆気ない。

「いく……いくっッ!朱鷺ぃ!!」

「カオルッ!!……おれも」

「──んんっっ……!!」

ふたりの欲棒がビクビクと脈動して、中を熱いトロミが通る快感を伴った。


勢いよく吹き出す粘り気のあるミルクを、諏訪はその手で受け止めて、ふたり分の欲望の象徴が手のひらから溢れそうになっていた。



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