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オリジナルBL小説
熱いコーヒー
彼はあれ以来、仕事場で、その鮎川を目で追っている自分がいる事に気がついた。


あれ以来、何も無いのである。


部長である彼は、あの日からまたラッシュを避ける様に努めて仕事をした。
いや昼間さぼるのではなく、残業という形でもない。

オフィスビルの一階のコーヒーショップで、少し時間を潰せばちょうどいいのである。



そんなある日、コーヒーを飲んでいると前の席に無許可で座った者がいた。


「お疲れさん」

「お疲れ様です、部長。寝れなくなりますよ」
「俺、コーヒー飲んでも夜なら寝れるタイプなんだ」

「そうでしたか?部長の新たな一面発見です。僕は、水でいいです。」


「……」


「所で、ラッシュを避けているんですね」
「悪いか?そこまで人肌恋しくないんだ」
「その方が、私も安心です。他の人に触れられる心配はないですから」

「……帰る」
「送ります」



「そんなに俺のことが心配?言い寄って来る奴は、鮎川以外にいないよ。物好きだな、俺のどこがいい?」

「模索中です」

「……そうか」

まとまった返事が貰えずに、彼は少々苛立った。
すぐに返事をしないということは、つまりはその程度の関係なのだ。
隣同士で席に座ったが、彼はだんまりを決め込んだ。

なかなか仕掛けて来ない隣のそいつを見ると、うとうとしていて、遂には彼にもたれかかった。

『拍子抜けだな』

別に襲われたいと思っていた訳じゃない。

ただ何か鮎川に期待していたのだ。
毎日毎日、同じ繰り返しだ。
正直、この退屈を彼がどうにかしてくれるんじゃないかと期待していた。
社員としても、男としても……。
なのに眠っている。


その顔はとても、電車の中で自分を襲ったやつとは思えない顔だった。
起こそうと試みたが、起きない。
しょうがないので、家に連れて帰った。

上着を脱がせて一先ずベッドに寝かせた。
二人寝るにはぎりぎりだったが、彼は着替えるとベッドに寝ころんだ。
『狭い』
そしてまだ寝ている鮎川をみる。
相当疲れていたんだろう。ぐっすりである。
布団を被せて身を寄せて寝た。
朝焼けが顔にあたる頃、彼はベッドから落ちた。

やっぱり二人で寝るには小さかったかと思うと、鮎川が自分の上に乗っかっている。
天井は見えずただ鮎川のドアップだった。

「あっ……」
唇に触れる唇。
掴まれる手首。
「鮎川!!」
「部長、して……。部長ばかり気持ちいいのもおかしいでしょ」

彼は鮎川の下半身を見た。
「若いな」そして握った、ズボンの上から。
「っ……、部長」


「汚れる、脱げ」
鮎川は膝をついてズボンを脱いだ。
彼は、パンツ引っさげて、それに触れた。

「ギリギリってところだな。いつもこんなに感じやすいのか」


「……、まさかっ部長だからですよっ、まさかそこまでしてくれるとは」
「鮎川よりマシだろ。電車で何人も餌食にして来たんだろ」

そう言った途端、体が浮いて次にはベッドの上だった。

「鮎っ!!」
「部長からの奉仕だけで、今は満足しようと思ったけど、俺の気持ちが分かって貰えてないみたいだから」

「まっ……あっちょ、まじかよ」

指を入れていじる、足を強引に開かせてその梅干しの様な赤らんだ場所に、赤らんだ舌が這いずりまわる。

「あっああっ」


『声が出ない、何……、この感じっ変にっなる』



「部長こそ感じやすいじゃないですか」
「やっ、まって……あっ!!」
「あっ、部長の中だ……っ」
「いっ嫌!!」
「嫌??体はちゃんと喜んでるじゃん」

ぐちょぐちょと音が立って揺れる体。
その体の上で反りたつ熱いものは、とめどなくその快楽を示している。

「中に、出しますよ……。受け止めて下さい」
「ふっ……あっあっあ−−−」




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あきゅろす。
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