[携帯モード] [URL送信]

おおふり
アベシノ←ミハ マネジの秘密
皆が帰ったグランドを、篠岡はたまに整備する。
皆が気が付かない細かいところに、皆の怪我の元がある。



「あっ、ゴメン。忘れ物した。先帰っていいぞ」
そう言って、グランドに引き返して行く阿部の姿を三橋は、ぼんやりと自転車を掴みながら見送った。

『阿部君……』
三橋は阿部が好きだった、でもこの頃妙な噂が流れてる。

《捕手の阿部とマネージャの篠岡は、付き合ってる。》


元々同中で接点の多い二人は、クラスも同じでそんな二人が噂になってる。

『阿部君に伝えるべきなのかこの想い……でも嫌われるのは怖い』

阿部がグランドに戻って来ると、篠岡の姿があった。
ベンチに忘れたリップクリームを、荷物に突っ込むと篠岡に声をかけた。
「篠岡、もう遅いから上がれよ。途中まで送ってくから」
「ありがとう。……リップ阿部のだったんだね」
「ああっ、直ぐ乾燥して切れちゃうからさ。防止」

「そっか……阿部君」
「何?」
「私と阿部君、噂されてるの知ってる?」
「知ってるけど、所詮噂じゃん」
「そうだけど、その、私は……」
「本当にしたい?」
……、一瞬分からなかった。唇が重ねられている事に、舌が口の中をかきまわしてる事に。

あとの事はもう無我夢中と言う感じでした。

ベンチの上に乗せられた私は、阿部君に脱がされて何度も貫かれたんです。阿部君はその間ただ無言でした。

……
終わった後の一言は
「ごめん」でしたが
「また、していいか?」
と聞かれて私は一つ返事で
「いいよ。」と答えてしまったんです。
それから、そんな体の関係が、私達の間ではあるんです。


「おい」
そう阿部君が、私の事を呼べばその合図、私が嫌だと言えば阿部君はしません。
「ごめん、今日は……」
「分かった、いいよ。体冷やすなよ」
そう声をかけられる。
たまに
『阿部君は私の事好き?』
そう聞きたくなるけど、それを聞けば今の関係はなくなってしまう。

でも

部活中二人っきりの時

「阿部君、ちょっと……」
「何?篠岡」
耳をかしてと小さく言うと、少し屈んでくれて私は自分の気持ちを耳元で囁いた、答えは
「篠岡の事好きだから、抱くけど……チームの混乱を避ける為に、隠しておきたいんだ。俺達の関係」

やっぱりその事を気にしていたんだ、そう思った。
私もそれはまずいって思うし、私も部活中はマネジでいたい気持ちが大きい。

阿部君の言葉に頷き、二人で笑いました。

皆の視線に気が付かずに…。



篠岡がいない男だけの更衣室で、話題になったのは篠岡と阿部の事だった。
「阿部って篠岡と付き合ってんの?」
その田島の質問に、一番ドキっとしたのは三橋だった。

「いや、何で?」
「この頃、仲いいなぁって思ってさ。皆そう思わね〜?」

と皆にふる

「田島、そんな事どうでもいいだろ?」と花井
「篠岡が誰と付き合ってても、マネジの仕事に影響無かったらいいじゃん」と泉。

「でもさ!!」
「ただの、業務連絡だよ。篠岡と話すのは、部活関連の事しかないよ。皆もそうだろ?」と阿部。

「そうだね〜、それに話すのは花井と阿部ぐらいじゃない?とオレも入るか?」と栄口。

そう話していると、皆よく篠岡の事を知らない事に気が付いた。
「……」
そんな話題に三橋だけは黙っていた。



帰り道、黙りこくったままの三橋を引き止めて、阿部は皆には先に帰って貰える様に頼んだ。

「どうした?元気ないじゃん」
「……」
「気になるなら言えよ」
「……、阿部君は篠岡さんと付き合ってる??」
「何だ、その話かその話は否定しただろ」

「でも!?」
「でも、何だよ。それにお前が気にする事じゃないでしょ」
「おっオレ……」


「??」

「阿部君が好きだから、だから気になるんだ!!」

「ああ、好きね。知ってるよ」
「そう言う意味じゃない!!」
「そう言う意味じゃないって……まさか」
「……」ギュっと涙を堪えていた。

「篠岡とは付き合ってないけど、それが三橋と付き合うキッカケや理由には、ならないよ」
「うん、そっか。……でも良かった。阿部君の口から付き合ってないって聞いたら、安心した」
と顔から緊張が消える。

「おお…。帰るか??」
「うっうん」





アトガキ
なんだぁ!!!
この微妙な関係は!!!



[*前へ][次へ#]

16/50ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!