[携帯モード] [URL送信]

他ジャンル
風が吹く時2 完
  三珠塔

 四人は、林の中をひたすら突き進む「さっきからトラップだらけだな。」とため息まじりにライドウが言った。
「しかもご丁寧に、音のマークまで入ってるし。」「罠かも。」とシズネが言った・・・。
みんな黙ってしまうが、「(ごほ)いらない事は考えないでいきましょ。それが私達の任務何ですから。」「そうだな!!もうすぐだ。」


林を抜けて四人は地面に降り立ちさっと身を隠す。


「人の気配はないが、あのトラップの数・・・音忍が潜んでいるのは間違いないだろ。全員で行こう。」ゲンマのその言葉にみな納得して、塔の入り口まで走る。
塔は五階と屋上がある。

四人はあたりを警戒しながらも塔を一部屋一部屋調べてまわる「この塔こんなに荒れ果てたんですね。」
「前にも来たことがあるんですか??」
シズネはハヤテの独り言を間に受け質問する
「ええ。(ごほ)以前の大戦で私も幼いながら忍びでした。(ごほ)
父が自分の任務の補佐に私とその頃組んでいた仲間二人を連れていったんです。
この三珠塔で国境を守っていましたが、敵に何度も襲撃を受けていました。(ごほ)だけどここは敵に落とされてはならないと・・・みんなあの時は必死でした。敵が離れて行き・・・誰もがもう大丈夫だと思って、何日も寝ていなかったから・・・」


「寝たのか??」
「はい。そして夜襲を受け半分が命を落とした、(ごほ)私の父も私達をかばって・・・で、応援で来たのが、ゲンマさんとカカシの率いたたった数十人の木の葉の忍びでした。」

 「おい!!大丈夫か??しっかりしろよ。ここでくいとめなきゃだめなんだぞ。」
「ゲンマそっちまかした。」「ああ。」しゅっと敵の群れに飛び込んで行くカカシを見てハヤテも動き出す「お前も里の為に戦え!!うわっあぶねーな。」
「私に任せて。幻術縛り!!」ハヤテは多数の敵の動きを止めクナイに起爆札を付けて投げる!!敵が肉片になって飛び散って来る。「その調子どんどん行くぜ!!」ばさばさっと敵の数が減っていく、
  ゲンマの背後に敵が「危ない!!(ごほ)三日月の舞!!」
・・・ブシューっと血のしぶきが上がる・・・・・

「なんて事がありましたけど、もう昔の事です。」
突然先頭を歩くゲンマの足が止まる。
「火薬のニオイだ。しかも大量の。」みな自分の嗅覚で確かめ緊張が走る。
・・・・
静かに階段をのぼり踊り場まで来ると、ゲンマは三人の顔を見て

「俺が行って来る。」それを聞いたハヤテはゲンマに反論する。皆にだけかろうじて聞こえる声で・・・。
「駄目です!!一人で行くなんて!!何の為に私達がいると思ってるんですか!?」ゲンマはハヤテの頬に触れる。
「大丈夫だよ。」
そう言ったとたんゲンマは階段をのぼって一人五階に行ってしまった。
「ゲンマさん!!」追いそうになるハヤテをライドウが止める。
「ハヤテ。落ち着けって。」・・・・「ライドウは、命令にばかり従って後悔したことはないんですか??(ごほ)私はありますよ。」
その時ピカッと光爆風が走る。三人は踊り場にいたのでまったくの無傷である。

爆風がおさまり三人はゲンマを探す為瓦礫の中に飛び込んで行く。・・・三人がゲンマを見つけた時、ゲンマはハヤテも見慣れない布を被っていた。
ハヤテ達はゲンマを囲んで辺りを警戒する。

「ゲンマ。大丈夫みたいですね。それは??」
シズネがゲンマの被っている布に触れる。
「仕事のない合間に改良した。これさえあれば火の中でも飛び込んで行ける。」
不知火家に残っていた、不火風呂敷だ。「この部屋のどこかにいますね。」
霧が濃くなる。「計算外。ここはこの時季霧が深いんだった、さっきの爆発で外の空気が入ってきてるな。」しゅるしゅる・・・
ハヤテの背後に何か飛んで来る。

キンキン!!ハヤテはクナイが飛んできた方向に走り出す!!「みんなはここにいて。」
またクナイが飛んで来る。ハヤテが去った後不気味な笑い声が、響く。三人は身を寄せていたが、そこに音からの起爆札が大量に降って来る!!
「ライドウ!!シズネ!!入ってろ!!」ゲンマは二人に風呂敷を被せ自分はその場から離れ壁に隠れる。これで、ゲンマ達は離れ離れになってしまった。


ハヤテは爆発音を聞きばっと振りかえるがすぐに自分の敵を確かめる・・・霧の中に音の男が一人。
見た目は軽く武器は・・・何だ??ラジカセ??さすが音忍と言う事だろうか。
「なーんだ。男がきちゃった。
女の子の方が良かったんだけどな。はーつまんない。」男はラジカセに手を置いてチャクラを入れているのか??
・・・・・
何かが飛んで来る??音符が形になってハヤテに突っ込んで来る!!

ゲンマは壁に背中をくっけたまま動かない何故なら、ゲンマの前にゲンマより一回りはでかい熊の様な大男がゲンマの前に立ちはだかっていたからだ。「でけー奴だな。」

「我の名はクジラ大蛇丸様の命によりここを木の葉崩しの拠点にする為の準備をしていた者だ。ここは我々が占領した。木の葉の忍びなんか・・・帰りな!!」ゲンマに言った言葉が眼に見える。
「なんだ!!」ゲンマはかろうじてかわす。何だあの攻撃・・・後ろの壁が「帰りな」って、うわー削れてるよ。当たったらただじゃすまないな・・・。
「木の葉をなめんな!!」

・・・

ライドウとシズネは女の音忍に捕まっていた。「なぜこことわかった??」「てめーに教える気はサラサラないね。・・・シズネ後ろにさがってて。」
ライドウはざっと足を相手に向ける。ライドウの足にチャクラが見えだす。女音忍はふんっと鼻で笑う。バっと足を踏み込む!!


ハヤテは刀を出しチャクラを刀に流し込みすべての音を切り捨てる。その姿はまるで風の様に・・・が、切ると言ってもやはり音かわせ切れはしない。が、ハヤテはその間に相手を幻術で縛る事に成功。
「なっ何だ??」
「かかりましたね。私の勝ちです。(ごほ)」
「いつの間に??」・・・・・

「そのラジカセ・・それに私のチャクラを練り込んだんですよ。あなたの攻撃を受けながら。
音は自由に動けますからね。終わりです。忍法口寄せ!!」

木の葉が舞い出て来たのは漆黒の鳥。


月鳥カガリだった。
断じてカラスではない・・・
「ハヤテ。呼んだ??」
「カガリこの人食べといてくれます??(ごほ)私はゲンマさんの所に行くので。食べたくなかったら
・・殺すだけでいいから。」
ハヤテはカガリの頬を撫でる。

「わかりました。ここは任せて下さい。」
「ありがとう。カガリ。」バっとハヤテは元来た方にに走りだす。だがもうそこには三人の姿はない。
争った跡が点々と床に落ちている血でわかる・・・ハヤテはゲンマの血のニオイが屋上からの風でわかる!!ゲンマさんが怪我をしている。


「ゲンマさん!!」ハヤテはゲンマの血のニオイが強い事に気づく。ゲンマさんの血のニオイが強い・・・早く行かないと!!・・・バっとハヤテは屋上に上がる。



音の住人

その光景は・・・見たくなかった。想像もしたくない。霧の中に太陽の様に赤く床に飛び散るゲンマの血・・・。霧がうっすらと晴れて来て、見えて来たのは
血まみれになって・・・・
倒れて・・・蚊が鳴く様に息をするゲンマと。
それを屋上の端で見ているゲンマ返り血を舐める・・・クジラの唇は笑っている。
クジラはすでに人の形を残していない。
大蛇丸からの呪印で、力が倍増しているのだろう。
そうでなければゲンマがあんなに血を流すはずがない。ハヤテはゲンマに駆け寄り、心音を聞く。まだ間に合う!!今すぐ、シズネさんに見せれば。
ハヤテはゲンマを抱き上げ五階に行こうとする!!が、「待て!!」シューーっと背後から言葉が形になったチャクラの塊が飛んで来る。ハヤテはかろうじてかわす!!が、足を取られてこける。

「わっ!!」ハヤテはすかさずゲンマをかばって背中から倒れる。ハヤテの服にゲンマの血がつく。
「ハヤテ!!ゲンマは・・・。」ライドウとシズネが来る!!みんなでゲンマを見る。「シズネさん!!ゲンマさんを助けて下さい!!
ライドウは私と一緒にあいつの相手を。」

気を引き締めていかないと勝てないなきっと。
・・・ハヤテもゲンマがやられて動揺してるし。
「ハヤテ気を引き締めて行くぞ!!」「ええ。」

バっバっと二人は中高く飛び上がり、両手に手裏剣「木の葉舞い!!」
手裏剣が木の葉の様に見えるがこれは幻術。クジラは二人の幻術にかかって、手裏剣をすべて受けてしまう。そして小さな起爆札が爆発。「いてーなー!!」クジラからの音圧に二人はつぶされそうに。
・・・相手は自分の声にチャクラを練り込んで、放って来る!!今回は避けきれない!!

「ハヤテ!!」ライドウがハヤテを押してもろくらってしまった様に思えたが、ボン!!影分身!!
「やるなー。てめーは!!」
二発発射してなおかつライドウに向かって来る!!「ちっ!!」ライドウは印を結ぶ
「火遁・豪火球の術!!」火遁で音の攻撃をかき消しなおかつ相手を丸コゲに!!・・・だが、クジラが魔の手を伸ばして来る「くっ!!」
やられると思ったその時ハヤテの刀がクジラの左手を叩き切る!!「うわーーーー!!!」
腕から血を流しながら悶えるクジラ

「木の葉崩しはさせません(ごほ)」・・・・クジラは体を震わせて「うるせーーーよ!!」
「にっ逃げろー!!ハヤテ。ライドウ!!」っと力なくゲンマは叫ぶ。遅かった。


ライドウとハヤテは音の刃に体を斬られ飛ばされる!!ライドウはシズネに抱きとめられた。が、ハヤテは宙に浮かび下に落ちてしまった・・・


三人は絶望的に叫ぶ「ハヤテーー!!」
シズネに治療されたゲンマはクジラに立ち向かって行く!!「ゲンマ!!行っちゃ駄目!!私も行きます!!」シズネは腕の中のライドウに声をかける。

「ライドウ私も行って来る!!一人で大丈夫だね。」
「ああ。気をつけろ。」ライドウはまともにくらってしまってもう動けないだろうと思われる。「行って来る。お前はここを動くな!!ゲンマ!!」

「木の葉の馬鹿どもめ!!」
クジラの攻撃が炸裂する中ゲンマはだんだん心を取り戻す。だが、ハヤテの事が気がかりだと言うより!!気になる!!
生きているならすぐにでも助けてやりたい!!
誰もがそう思ってるが、今のこの厳しい状況。
医療忍者のシズネまでが戦って、誰かがこの場を離れてハヤテの生死を確かめる事など出来たものではない。
ハヤテの事は考えないそう思ったって無理なのである。「忍法毒霧!!」くらったか!?

「シズネ避けろ!!」ゲンマが叫ぶ!!
クジラはまたチャクラの塊を飛ばして来た。

シズネはすかさず避ける。二人ともかなりのチャクラを使っていた。
このままじゃやばい!!!!ゲンマのとった行動は、
「土遁・土流壁!!」ゲンマはクジラを土の中に埋めてしまった。だが、まだ生きている。
どうにか勝たないと、このままじゃみんな死んでしまう。


死んだんですかね・・・・!!
そこは何もかもを包んでくれるような、青い空の中だった。
「空!?やっぱり死んだんだ。」が、なぜか下から声がする。
このにおい
この感触
「何を言ってるんですか??ハヤテ。ここは確かに空の中ですが、貴方はまだ死んでませんよ。」
カガリは平然とこの状況を説明した。
「まだ戦いは続いていますよ。行きますか!?」
「ええ。みんなに私は死んではいないって知らせないとね。(ごほ)カガリもうちょっと待ってね。」
ハヤテは忍具の一つ兵糧丸を出して来て。
ばらばらっと無造作に出しすべて口に放り込みガリガリと食べる。
「ハヤテいいんですか??そんなに食べて。」
「いいんだよ。たぶん次ぎの一手が最後になる。
(ごほ)カガリ覚悟出来てる??」

「行きますよ!!」「ええ。」ハヤテが答えた瞬間カガリは急降下!!

ガラガラクジラが出てきた。
もう終わりか、そう思ったとき。
鳥の翼の音と共にハヤテの血のニオイが近づいて来る。ばぁ!!!三人が振り返るとカガリが頭上を過ぎ、クジラの肩を鋭い爪で掴み飛んで行く三人はその光景を瞼を取られたように瞬きもせずに見ている。
ゲンマが声をもらす
「ハヤテの鳥だ!!」
その時!!
カガリから降り立つ人の影が見えた。
「ハヤテ!!」ゲンマは人影に叫ぶだが返事はこない。
「カガリ!!今です。」カガリは塔の下にクジラを落とす。ハヤテもそれを追う様に落ちて行く。
ゲンマはハヤテに叫ぶ「ハヤテ!!やめろーー!!」
「うわーーー!!」
「あなたの後ろを取れば、攻撃も出来ないでしう!!三日月の舞!!」
ズッバーーー。ハヤテは空中で影分身見事クジラを倒した。



「ハヤテーーー!!」
カガリがゲンマ達の前に降り立つ。
「カガリだったけ・・・ハヤテは??」

小さな沈黙の後

ぼてっと音を立ててハヤテが落ちて来る
「ここですよ。(ごほごほ)・・・久しぶりです。
皆さん。」血にまみれたハヤテが姿を現す。

「ハヤテ!!」ゲンマは思わずハヤテに抱きつく。
二人も笑顔で迎えてくれた。
「ゲンマさん・・・苦しいです。」
ゲンマはまだハヤテの胸に顔を埋めている
「よかった〜。」

「カガリ私達を乗せて、木の葉まで飛んでくれませんか??」カガリはぶわっと羽を鳴らすとみなが乗れる様に屈んでくれた。
「お安い御用です。木の葉病院でいいですね。」
ハヤテは何も言わずにこくりと首を縦に振った。



     任務終了。


                20050906

[*前へ][次へ#]

3/9ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!