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風が吹く時1
    風が吹く時                     


 
「ハヤテもうあがっていいぞ??」
「いえ。(ごほ)まだ残っているので、これ終わったら帰りますよ。」
「そうか!?じゃ、おつかれ。少しは睡眠とれよ。」「お疲れさまです。」


・・・・・
よし後はこれを火影様に提出するだけだな。もう9時前か・・・急いで行けば大丈夫かな??。ハヤテは荷物をまとめ手に持つのは火影に渡す書類。

電気は点いてるな。短く小さなノックをしてハヤテは「火影様!!失礼します。」

・・・・・寝ていらっしゃるのかな??
「あの。五代目!?」

「んー何だ〜〜こんな夜遅くに・・・・誰だ??」
綱手はまだ寝ている目でハヤテをじーっと見る。
首をかしげて。「・・あの(ごほ)」
「あーーー!!」ハヤテは一瞬びく〜!!っとするが、「思い出していただけましたか??」

綱手はハヤテを指差す自分の指をすっとしまいこみ「ハヤテか何かあったか??」
「遅くにすいません五代目。・・・これは現在の暗部全員の個人データを新しく編集した物です。
(ごほ)それから今年度木の葉で採取できると思われる薬草の一覧。
それから、同盟国風の国の今現在の状況をまとめた物です。明日中にとの事でしたが、一日早く目を通せば、明日の五代目の仕事がスムーズに行えると思いまして・・・。(ごほ)ではこれで。」
「ハヤテ。」
ハヤテはくるりと振り返って綱手を見る。
「はい。何でしょうか??」

「お前は明日任務について貰う。
今日は帰ってもう寝ろ。」

「分かりました。・・失礼します。」
パタンと扉を閉めるとぽんっと肩を叩かれる・・
ふっと振り返るとぷにっとハヤテのほっぺにゲンマの指が刺さる・・してやったりとニヤニヤと笑うゲンマ・・・が、ハヤテは冷静にゲンマの手首を掴むと「何ですか??」
ゲンマは面白くねーっと思いはぁーっとため息をつくハヤテはゲンマの心を読んだのか
「面白くなくていいんですよ。(ごほ)」
すたすたと歩きだすハヤテ、ゲンマはそれに続く「今、読んだだろ・・」ハヤテは横を歩くゲンマを見て「何をですか??明日の任務の事ですけど」
「ああ。これが依頼書。ほい!明日の任務は俺とライドウ、ハヤテシズネで行くらしいからよ。」
「はい。」

「簡単に説明すると。
同盟国風の国からの情報なんだが、木の葉の南三珠塔って言う今は使われてない廃墟の塔あるだろ。
そこに音忍つまり大蛇丸の手下が何人か潜んでるらしい、何しに来たのかは知らないけどとにかく・・・やれって言ってたぜ。
何もなかった場合はすぐに帰って来いてさ。
ホントにいんのか〜そんなん??」

すたこらすたこら


「確かに風からの情報ですから(ごほ)真実かどうかはさだかではありませんが、それを確かめるのが私達の任務。明日は何時にここを出るんですか??」

二人は建物を出て春の夜空の下を歩く「6時だ。」「そうですか。」


「ハヤテ・・・何か荷物多くない!?」ゲンマはハヤテの持っているカバンのハリぐあいを見てそう言った「ああ。今日残った事務の残りですよ。
家でやってしまおうと思いまして。」

ハヤテはにっと笑いゲンマに話す
「多いだろうがよ!!・・・
けど明日は任務だから睡眠とれよ。」別れ道に入る
「わかってます。みんなに迷惑はかけられませんから。(ごほ)おやすみなさい。」
「おお。じゃあな。」


  旅立ちの戸惑い

 「ゲンマさん。遅いですよ・・・(ごほ)」びくっと立ち止まりシズネに問う「遅れた!?:俺??」「そんな事はないです。ジャストですね。」
「ほら。遅れてないじゃん!!」   誰も聞いてない。ハヤテが先頭きって
「無駄話はしないで・・・行きましょう。」

「そうだな。」「ええ。」しゅしゅしゅっと三人とも消えて行く
「おい。待てよ!!」

「ハヤテ。俺がリーダだから俺の指示に従えよ。そろそろ日が落ちるな。」
「さすがに1日では行けませんね。・・・ゲンマさんそろそろ宿にするか、野宿にするか??」
ゲンマ達は木の上を走りながら話す「そうだな・・今回はシズネもいるし、どこかの民宿にでも泊まるか??」
「ここからなら、札巳街道の(巳櫛の宿)が近いけど。」「ライドウ知ってんの??」「ああ。」
「じゃあそこに決まりだな。こっからはライドウ先頭で行くぜ。」



  巳櫛の宿に入り込む

 「えっ??温泉ですか??」
シズネは看板の横の(温泉)と言う文字を思わず声に出して読む。「ここ。結構な穴場なんだ。木の葉の忍びしか泊まれないんです。」
「ふーん。そりゃあ好都合。」
??っとみんながゲンマを見る
「いや。別に・・木の葉の忍びしか泊まらないって事は、極秘の話しもできるなって思ってさ!!」

ゲンマは急いで言葉を付け加えるが、ハヤテは何かを感じたらしいが言葉に出さずに
「そうですね。それは一理あります。さっさと寝ちゃいましょか??明日に備えて。」

ハヤテはゲンマの思惑をあからさまに拒否するとささっと宿に入る中から女中の声がする
「おこしなさいませ。何名様でございましゅう??」

「4人なんですけど・・部屋あります??」
女中の一人が宿泊名簿も見ずに答える
「今は誰も宿泊はなされてませんので、お好きな部屋をお選び下さい、と言いましてもお部屋は10部屋しかありませんが・・・。」

ばっと彼女は部屋の見取り図を出すとハヤテはそれを見て次々と指を指す「ここと、ここと、ここと、(ごほ)ここで、あと食事は彼の部屋でまとまって食べますから、運んでくれますか??」
ハヤテはゲンマを指差し言った。

「わかりました。ではお部屋にご案内します。」
ハヤテの迅速さと宿の人たちとの親しい感じを三人とも気にかけながらも誰もその時は口に出さなかった。

夕食時になり四人はゲンマの部屋で食事をとりながら、任務の事のついて話し合う
「音忍が潜んでいた場合、俺達は奴らの目的をつき止め、その場で相手が戦いを望まなくても木の葉に悪影響を及ぼそう物なら・・・。」
ライドウが言葉を詰める。

ハヤテ以外はみな温泉に入ったのか着物になっている。
「その場合はやもおえません。
私が仮説するに、音忍はまたいつか木の葉崩しを仕掛けてきます。三珠塔は第三次忍界大戦で木の葉の防衛拠点として使われていました。
(ごほ)つまり、木の葉を攻撃するのにはうってつけの場所でもあります。」

「そこで音忍が忍具を集め人材を集め攻めて来る。」シズネが悟ったように言った。ゲンマはその三人の話に耳を傾けながらも、反論せずにもくもくと食べる。「ゲンマはどう思う??」とライドウは問うが、ゲンマは答えない。
「ゲンマ??」
シズネは心配そうにぽつりと言うが、誰も何も言わずに時は過ぎてしまった



  誰もいなかった温泉

眠れない・・・
のそっと身体を起こすゲンマ。襖の外から穏やかでとても静かに虫の声がする。
髪をくしゃっと触ると・・はぁと蚊の鳴る音の様な声音でため息をもらす、何か理由があるらしい。ばっと布団をほうり出し、部屋を出る。月明かりが少し眩しい、誰もいない渡り廊下を行き男湯に入る。

ゲンマは桶に水を溜めてその水を顔にバシャっとかける髪が水に濡れゲンマの肌にはりつく。


とその時!!
がらりと戸を開けて入って来たのは腰にタオルを巻いたハヤテだった。


二人の時間が蚊が人の血を吸う時ほど止まった。が、ハヤテはおもむろにゲンマに近づきゲンマの膝の上の桶に手を入れる
「つめた!?(ごほ)ゲンマさんこんな時まで修行ですか??風邪ひきますよ。無理しないで。」
ハヤテはゲンマの頬に優しく触れると横に座って髪を洗い出す。

二人は何も言葉を交わさずに・・・・ワシャわしゃ。
ハヤテが髪が泡で包まれているゲンマはその様子をじーっと見ていたが、見飽きた訳はないだろうが。苛立ちを隠すために勢いよく温泉潜るゲンマの髪がサラサラと波打つ。ゲンマは腰まで浸かってハヤテに背を向け竹で出来た壁をひたすら見つめている。

ハヤテはゲンマの背後からその様子を見て、いつもと何か違うと思い心配している細い声で話しかけようと思うが、出来ない。
ハヤテはゲンマの背中に背中をつけて座り込んだ。
ゲンマは動揺するが何も言ってこない。
「ゲンマさん。何か・・・怒ってません??」
「何で??そう思う。」
「何でって・・・ゲンマさんなら夜一人で温泉なんて来るはずがないんじゃないかって。
(ごほ)それに食事の時も何か様子が変でしたよ。」

ゲンマはばっとハヤテと向かいあわせになると
「ハヤテ。お前何でここの女とあんなに親しいんだ??しかも普段俺の前でもそんなに笑わないのに・・・お前笑顔振りまき過ぎだぞ !!
・・・あんな事してちゃいつ襲われるかわかったもんじゃない。バカ!!」
ゲンマは勢いよくはき捨てるとぷいっと眼を逸らしてしまった。
ハヤテは初めて聞くゲンマの早口に多少驚きながらも、ビリビリとゲンマの言葉に反応して素直で無垢な笑顔で言葉を漏らしてしまった。

「それって・・・・やきもちですか??」
ゲンマの顔がブワっと赤くなりますます顔をそむけるが否定はしないようだ。

「任務でちょっと傷を負った時途中で倒れてしまって気がついたらここの一室に(ごほ)
寝かされてたんです。それから私ここの常連なんですよ。仕事がなくて、ゲンマさんが任務でいない時は、ここに来てたんです。
(ごほ)女中さん達と親しいのはただそれだけです。」
やっとゲンマがハヤテの眼を見る「ほんとにそれだけ??」ゲンマはハヤテの頬に触れながら聞く「はい。」ガバッと抱きしめられるハヤテ!!

「ゲンマさん!?」
ハヤテにゲンマの体重がかかってくる。安心を得られたらしい
「良かった〜。」いつまでもハヤテを解放しようとしないゲンマにハヤテは
「ゲンマさん放して下さい。」
「・・・・。何で。」ゲンマはハヤテの顔を見るハヤテが濡れているとますます誘っている様にしか見えない「今は、任務中な訳ですから、任務にそぐわない行為はどうかと思いますけど。」
聞く耳持たず。すすっとハヤテにキスしようとする。

「ハヤテが無防備過ぎるんだぜ。俺が心配だからって、風呂に一緒に入ったのが誤算だったね。」ゲンマの腕の中に捕まったハヤテは「ゲンマさん!!やめて下さいって・・言ってるでしょ!!」

ハヤテの言葉にゲンマはうろたえるが 
  ムチュっとハヤテの唇を奪う「っ・・ふぁ・・」
ゲンマはハヤテからぱっと回した手を離すと、温泉からザバっと上がる
「今日はこれで我慢する。無理にはしたくないし、明日に備えてもう寝るよ。おやすみ。」

ゲンマは姿を消す「お休みなさい。」




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あきゅろす。
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