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今日の気持ち
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「ハヤテ!!」任務帰りで事務所に向かうハヤテをゲンマが呼び止める。
「はい。」ハヤテは振り返って夕陽に染まるゲンマの髪を目に焼き付けた。
「チョット・・・いいか。」
「ゲンマさん??」
ゲンマはハヤテの腕を掴んで突然走り始めるのでハヤテはついて行くしかなかった。
「何かあったんですか??」
ゲンマには何時もの余裕がない様に見えた 冷静じゃない。

木の葉茶通りまで来るとゲンマは「甘栗甘」に入り栗ぜんざいを頼んだ。
「ハヤテ・・・何つっ立ってるんだ??
甘いもん好きだろ。」
ハヤテは暖簾を掻き分けゲンマを不思議そうに見た。「ん??」
「いえ。(ごほ)別に・・・ゲンマさんのおごりですか??」「当たり前だ。」

「でも急がないと・・・火影様に報告に行かないと行けない事があるので・・。」
「そんなの知ってるよ。」「えっ??じゃあ何故??」ゲンマの向いの椅子に座って言った。
ゲンマの前には湯気の立った湯飲みが置かれていた。その湯気がゲンマとハヤテの間にかすかに空間を作った「今日中に言いたい事があって・・・。」「栗ぜんざいお待ちのお客様。」「私です。」
栗ぜんざいがハヤテの前に置かれる。
「美味しそう。久しぶりに食べる。」栗を一口。
「ハヤテ・・・」「はい。」・・・・・湯気が冷めて行く。「何か??」
「変に思うなよ。 俺お前の事が好きなんだ。」
「えっ??」ハヤテは甘い口の中をお茶で濁した。

「それは・・・友達としてですか??」ゲンマは顔をそらした。ハヤテに気づかせる為に

「じゃあ・・・あの・・私は・・・」気づいたハヤテは戸惑って食器をカチャカチャ鳴らした。
「俺の事嫌いか??」ゲンマは顔を硬くしながら言った。「いえ。でも・・・ごめんなさい。私は苦手なんです。ゲンマさんは好きだけど・・・。」


「いいよ。分かった。」ゲンマは代金をテーブルに置くと立ち上がって、うつむいている
ハヤテの頭をポンと優しく撫でた。
「気にするな。・・・俺の勝手な想いだから。」
そう言ってゲンマは去って行き。ハヤテだけが残された。

突然の事だった。考えられない事だった。
彼が私の事を好いているなんて、でも私は臆病だった。怖い。人に触れるのが、そんな私が忍びになったのは、私の人格を壊す出来事が中忍試験の最中に起こったからだ。

あの森で。

ぐちゃぐちゃと思い出しながら森の前までいつの間にか足を運んで来てしまったハヤテ。
ザワザワと不気味に私を呼んでいた。その時。
「何だ。思い出の場所で何をやっている??」
ハヤテに声をかけたのは暗部の30代の男だった。「あっ!!」ハヤテは見る見る動揺を隠せなくなって・・・怖くなった。
「今日は野外プレイだな。」「ヤダ!!」ハヤテは走り出したがもう遅かった。森の横の細道まで連れてこられてバッとベストを剥ぎ取られて下から生ぬるい手が這って来る。
「あっ!!・・・っ・・・」「嫌がっていても、反応はいつも通りだな。」
グチョ・・・ 荒々しい舌が口の中で暴れ動くたびに感じた。「んっう・・ふっ」
道の壁に押し付けられて、スススと乳首を弄られてヌルヌルして。「あぁっ・・。」
「好きだよ。」「嘘だ。好きならこんな事しない・・・。」ハヤテは男を力いっぱい押しのけて通りに走り出た。
「ハヤテ??」いたのはゲンマだった。ハヤテは自分の今の姿なんか気にしないで
ゲンマの胸に飛び込んで震え出した。
「あんたか・・・こいつが震えてる原因は??」
ゲンマは男に言った。


「ハヤテ??」ハッとなってハヤテはゲンマから離れた。「あっ!?」ハヤテのせいでゲンマの服にも無意味な分泌液が付着してしまった。ハヤテは自分の状況を把握して。思わずしゃがみ込んだ。
「はぁ・・・。」ゲンマのため息が聞こえてハヤテはドキリとして動きたくなかったが、ハヤテの体を隠すように風呂敷きを出してきてハヤテの肩にかけた。「??」
「ここからだと俺の家の方が近いけど、どうする。ハヤテもその格好見られるのは辛いだろう??」ゲンマはそう言って歩き出すのでハヤテも重い足を上げて後をついていった。

ゲンマの家はハヤテと同じようなマンションだった。ゲンマは二階の階段から一番手前に住んでいた。ガチャリとカギを開けてゲンマはハヤテを誘導し中に入れた。
「ちょっと待ってろよ。何か着替えを・・・。」ゲンマはハヤテをソファに座らせて奥の寝室らしき所へ行ってしまった。ハヤテはドキドキしていた。
ゲンマに自分の悲惨な場面を見られた事、今ゲンマの家にいる事。
頭の中を整理しているとゲンマが戻って来て上下の服を渡されて風呂場に案内された。
ポツリと残されたハヤテはゆっくりと動き出して鏡の前で自分の裸をまじまじと見てしまった。
「傷がついてる。」
首筋にも胸にも下半身にもあいつの痕跡が残っていた。

傷ついた自分
慰めてくれるあの人
素直になれない自分
勇気がない自分

沢山の光景が浮かんで来てしまって 涙が出た
ついには蹲って
小さくなった
誰にも見つからない様に。


気がついたら
風呂からあがって彼から借りた服を着て頭にタオルを被せてソファに座っていた。
台所で物音が聞こえる。
ヤカンの音
水が沸騰する音
何かを刻む音
ハッと気がつくとうつむいたハヤテの目の先に足が見えた
「ちゃんと拭けよ。」そう聞こえて頭が圧迫される。
ゲンマの大きな手がハヤテの髪を優しくタオルごしに撫でていた。
うつむいたままのハヤテの顔を両手で上を向かせて。ゲンマはハヤテの顔を真正面から見た、「落ち着いたか??」「・・・はい。」
何か知った安心感があった、思い出すのは父の顔だったハヤテが落ち込んだ時いつも頭を撫でてくれたものだった。


埋まっていた作品です。
これはこれで完。



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あきゅろす。
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