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6話
そう思った瞬間。
シカマルの体に、衝撃が起こった。
次の瞬間
テマリに胸倉を掴まれ、組み敷かれていた。

「気安く言うな、分かってるのか??私達は忍びだ。
いつ何時、命を落とすかもしれない。明日は、我が身かもしれないんだ」

「いつ死ぬか分からなかったら??告白しちゃなんねーのか??いつ死ぬか分からないのは、誰だって同じだろ」

「……」テマリの手から力が抜けていく。

「あいつだって、俺達がいなきゃ、川で死んでた」

「……」

「それとも、死ぬ日が決まってないと恋は出来ない??」
ギュ
『いてっ!!』

ぐいっとひき付けて、顔が近いぐらいだった。

「怖いんだよ、誰かが死ぬのを想像すると……」

静かにそう言うと、涙をハラハラと流した。

抱きしめたくなって、テマリの体を抱き寄せた。
肩に涙がしみる。
「泣くなよ。男は、女の涙に弱いの分かってるだろ。
それに、誰かに生きていて欲しいて思われてるだけで、男は必死になるもんだ」

「カッコつけるな」

そう言われて、胸を叩かれた。



「今度会う時は、中忍試験の時だな」
「ああっ。じゃあな」

「なぁ??」テマリの背中に声をかけた。
「何だ。」
「早く言え!?」

「また、俺の家に来いよ。あいつ見に」
「そうだな」
「本当か??」
「お前の頭が、また回らなくなったら助けに来てやるよ。その代わり、家に泊めて貰うよ」

テマリは、シカマルの方を見なかった。
振り返らなかった。

「……ああ」
「じゃあな」

門をくぐって、二、三歩で立ち止まった。


『あれっ?? テマリの奴どうしたんだ。』



シカマルは駆け寄って、テマリ顔を覗き込む。
「お前……」
シカマルの胸の中に、どっと顔を埋めるテマリ
「見るな……私は、お前みたいに泣き虫じゃなかったはずなのに」
「泣きたい時に、なけばいい」
「誰を思って泣いてると思うんだ!!」
ドンとグーで胸を叩かれる。
「ごめん……」
「次に会う時まで、そのアホ面変えるなよ。シカマル」
「言われなくても」

『テマリにキスしたい。』
そう思った時。テマリの唇が、シカマルの頬に甘く落ちた。

「あっ!?」
テマリを見た時はもう背中だった。
「じゃあ。またな!!」

森の中に消えて行ったテマリを、見送りながらシカマルは頬を触った。

『なんだよ、こっちかよ』





アトガキ
ミクシィに置いていた作品でした。
ありがとうございます。
めっちゃ純粋な二人でした。

編集080819



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