他ジャンル 5話 女って分からん。 今朝からテマリと、なかなか目が合わないのである。 そう思いながら、テマリの横に座って、中忍試験での雑務の説明を受けていた。 ふっとテマリの横顔を見ると。 『まだ怒った顔してるな。』 そう思った時、テマリもこっちの視線に気がついて。 『あっ、目が合った。』 と思った時、テマリの頬は赤くなってそっぽ向いてしまった。 『えっ??何、今の態度』 テマリに声をかけようと思った時、正面に座っていたイルカが 「集中」と言いたげな顔をして、こっちを見ていたので、 シカマルはテマリの心理を聞き損ねたのだった。 会議終わり頃に、ナルトが帰って来たと言う情報が入って来た。 イルカ先生のそわそわしているのが分かるので、シカマルもテマリの話しかけようと試みるか?? 自分が、テマリから何を聞きたいのかさえ分からない。 説明のつかないこの気持ちに、戸惑って……いるうちに。 いつの間にか、木の葉の風景の中を二人して歩いていた。 「テマリ??」 沈黙を切って出て来た言葉は、彼女の名前だった。 少し先を歩いていたテマリは、少し振り返り目が合ったが、シカマルが何も言わない事を察すると、踵を返したので、思わずテマリの手首を掴んでこちらを向かせたが。 「シカマル!テマリさん!ホラ!誰だと思う!?」 と言う言葉に瞬時に反応して、二人は身体を離してさも平然と歩いて来た様に装って、声の主の方に向き直った。 「!!」 「おおっ!!ナルトじゃねぇーか」 シカマルはあからさまに誤魔化して、その場はしのごうと思った。 「!! シカマル!」 『コイツ、あのチビか??』 「お前今帰って来たのか??」 「嫌、昨日帰って来た」 「ははっ、何だかバカさ加減が抜けたって言うか、変わったか?」 「イヤ、変わってない」 「あっヤッパリ?」 「サクラちゃ〜ん」 「そちらは、デートですか??」 いきなりの問いだった。 確かに自分の気持ちに気づきだしている、多分。 そんな気持ちを持って、一緒にいてもまだまだデートと言える物でもないだろう。 今から、シカマルの家の帰ろうとしている時に。 『言える訳ない。』 シカマルはそう考え。 心のままにいつもの口調で。 「そんなんじゃねーよ」 「冗談はよせ、誰がこんな奴……」 「テマリさん」 サクラの口調で、やっと横にいるテマリの顔を見た悲しみが涙として顔に表れ、人前と言う恥ずかしさがテマリの体を動かした。 「テマリ」 シカマルの声に反応して、バッとその場から逃げようと飛び上がるが、シカマルが地面に戻す。 「待て!!何処に行く気だ」 腕を掴んで、引きずり戻したが 去ろうとするテマリの勢いで掴んでいたテマリの服が一部破れ、シカマルの手の中には、布切れだけが残った。 シカマルはテマリを探した末に、見つけたのは昨日助けた小鹿の元だった。 テマリは、小鹿を背中から抱いて牧草の中で眠っていた。 シカマルの気がついた。小鹿はテマリの腕からスルリと抜け出し。シカマルの顔を舐める。 「よしよし、大分元気じゃん。お前には悪いけど、こいつ、部屋に連れて行くな。」 テマリを抱き上げて、小屋を出る。 「女って、おめーなぁ」 眠っているテマリの顔を覗くと、頬に泣いたような、跡があった。 『こいつ……』 「んっ……」 「!!」 『起きるな』そう思った。 目が合ってしまった。 『テマリ、可愛い』 「もういい。降ろせ」 テマリは顔を伏せて言った。 「んっ!!ああっ。」言う通りにした。 先先家に向って歩いているテマリが言った 「私は、お前が気に食わない」 「そうかよ。俺は好きだけど」 言ったそばから口を塞いだ。 『何言ってんだ、俺は!?』 [*前へ][次へ#] |