他ジャンル 4話 パチパチと焼ける枝が、悲鳴をあげる。 シカマルとテマリは、火を囲んで時を過ごしていた。 シカマルは、小鹿の足を見て傷を見つけた。 「血が出てるな??」 テマリが、のぞいて言った。 リュックの中に手を突っ込んで。ガサゴソと探り出て来たのは、 塗り薬らしからぬ色をした、貝殻に入った黒いの固体だった。 「大丈夫なのか??それ塗って??」 「薬は色の問題じゃないぜ。奈良家に代々伝わる薬なんだ。 塗った時は黒いけど、傷が治ると色が白くなって知らせてくれるし、効きめも抜群だ」 シカマルは指に取って、火の熱風で少し溶かして 「少ししみるかもしんねーけど、我慢な」 左後ろ足に塗った。その瞬間小鹿がシカマルの上に乗った!! 「イテ!!」 「シカマル!!」・・・・・・ 小鹿が、シカマルの顔をぺロリと舐めた。 シカマルとテマリは、日暮れ前に火影の所についた。 「なぜ。遅れた」綱手は言った。 いつもの通りに隣には、シズネがトントンを抱いていた控えていた。 「俺の責任です。昨日の雨で川の水位が上がっていました。 俺とテマリは、偶然川に流される小鹿を見つけたんです」 「それで??」 「すぐに俺が川に入って、助けました。それで時間を食いました」 「そうだったか。ならよい、少し遅いから道中何かあったのかと思ったぞ。時間に正確なお前が、遅れる事はまずないからな」 「明日は朝から中忍試験第三回説明会だ。遅れるなよ」 「はい」 夕日が道と二人を染めた。 「すっかり、日が落ちちまったなぁ……宿は決めてあるのか??」 「いや」 「俺の勝手な行動で遅れたんだ。俺の家に泊まれ」 「えっ!!」テマリは立ち止まる。 「いい!!」 「でももう遅いし、大丈夫、歓迎してくれるからよ。行こうぜ」 突然走りだすシカマルに、テマリはついて行くほか無かった。 玄関に着いて 「やっぱり、宿を探す」 「あぁ??今更そんな事言ってどうするんだよ」 「うるさい!!何で私が、お前に家に止まらないと行けない!!」 「さっき言っただろう、遅くなったのは俺のせいだ。今から宿探すより早いし、明日に備えて早く寝た方がいいだろう。さすがに明日は、遅刻出来ないからな。」 「そうじゃなくて!!」 「ただいま〜。母ちゃん!!」 ドタドタと大きな音が近づいて来て女が現れた。シカマルの母だ。 「シカマル!!遅かったじゃないか!!小鹿をお父さんに押し付けて。また出て行ったりして??」 「ごめん。泊めてやってくれないかな」 テマリはペコリと会釈した。 ヨシノは何を思ったのか、取り乱してしまったのだった。 「お父さん!!シカマルが女の子連れてきたよー!!」 「まだ早ーい!!」 シカクが家の奥から、飛び出て来た。 『おいおい、オヤジまで……。 テマリを連れて来たのが、間違いだったか??』 「なんや。任務でお前がとちったのか。まぁ鹿助けたのは評価する点もあるが、(シカクはテマリをちらりと見た)砂の使者を巻き込むとは、だが無事で良かった。狭苦しいがゆっくりして行って下さい」 三人で食卓に座って、シカマルは一から忍びの心得をうだうだと、シカクに正面から言われる羽目になった。 シカマルは聞き耳を持たずに、 「はぁ」と窓の外を見ながらため息をついた。 「ところであいつは??」 「お前が連れて来た小鹿は、怪我をしていて病気持ちとも限らんからな。庭の小屋に入れて置いた」 「そっか。いきなり鹿の集団に入れたら喧嘩になるかもしれないしな。有難うな、オヤジ。」 「さぁ出来たわよ。テマリさん!!沢山食べてね」 っと何故か赤飯。 「母ちゃん。俺の話、聞いてた??」 「もちろん」 「何で赤飯なんだよ。しかもいつもは出て来ないもんが沢山」 「文句あるなら、あんたは食べなくていいよ」 …… 沈黙の後 「頂きます」と言い出したのは、テマリだった。 一番風呂に入って。 シカマルは庭に出て、小屋を覗くと、キラリと光る目に突進された。と言うより甘えてる?? 「何だ、思ったより元気じゃん。足、見せろよ」 そう言って小鹿の足の傷を確かめて、ため息を漏らした。 「もう、大丈夫だ」 「ここにいたのか……」 「んっ??風呂上がったの??」 シカマルは、小鹿の頭を撫でたりしながら言った。 「ああっ、傷は??」 「大丈夫だ、この通り」そう言って小鹿の前足を手で持ち少し持ち上げる。 「ふふっ。 そうか」 「お前??」 「何だ」 「いや……」 「言いかけてやめるな!!。」 「髪、下ろすと印象が違うな、女みたいだ」 そんな事を、上の空で言っていたシカマルの顔に衝撃が!! そして小鹿の下敷きに…… 「バカ!!」 そう言ってテマリは、そそくさとシカマルに背を向けて家に向って歩いて行った。 「イテ〜、なんなんだよ」 [*前へ][次へ#] |