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風のトバリ1
   風のトバリ                 


 私は今日売られる。歳十八 月光ハヤテ
私の父はお金が無いからと私を、人買いに

売る。

父は金を貰うとすぐに帰ってしまった。
もう・・・・会うことは無いだろう。
「俺の名はアスマ。月光ハヤテだっけ??
今日からお前は、木の葉の北スラムの遊郭の花だ。
そのしけた面は明日からはなしだぜ。」


私は絶望していた。
「わかりました。(ごほ)こんな咳があるから、お前は仕事に就けないと・・・父も嘆いていました。
・・・・・・どうぞよろしくお願いします。」

ハヤテは観念した様に、言葉をかさねる。
アスマがハヤテの体に触れて来る。ハヤテはびっくりして後ずさり、畳の上で身を硬くしている。
アスマはハヤテの着物をバリーっと破る。
ハヤテは息荒く床に倒れ込む。

残った着物でひっしに白い肌を隠す。
そんな光景をアスマはじっと見ていた。
が、
「いい、買い物をしたかもな。」
そう言ってすぐにハヤテを遊郭に連れて行った。



「今日からよろしくお願いします。」
ハヤテは先輩方に挨拶をする。
みんな男だ、ハヤテより年下の子もいる。
「初めましてだってばよ!!よろしくな。」
うずまきナルト君彼は孤児らしいそこをアスマに拾われたのだった。自分より年若い男の子がこんなところで、身を売っているなんて
とても信じられなかった。




あれから何ヶ月たったかな??
ここには時間がないの??
私はひたすら稽古稽古にあけくれて、
身がちぎれる思いをしていました。
だけど、今日やっとお座敷に出ることになりました。
あまり気が進まない・・・・・・・
その先に何があると言うのでしょうか??何もないだろうなって薄々わかってます。
ただ抱かれるだけ、
何の感情もなく冷たいけれど熱く抱かれるだけである。
他には何もない。
何も望めない。
もう逃げられない。
何度もそう思った。
私を初めて抱く人は誰だろうなんて・・・・
考えてもいつもより咳が増えるだけ。
恋人なら興味はあるかも知れない。が、私はここで朽ちていくだけ。


  花びらが落ちる

 
 「ハヤテと申す者です。今日が初めてのお座敷なので、皆様お手やわらかにお願いいたします。では、踊りを披露しましょう。」
「ナルト。頼みましたよ。」
「はい。」聞きなれた曲が流れて来て。
二人は舞始める。

初めてあった時よりもつやつやしたナルト君を見た時。楽しそうに踊っているのを見た時。
なぜっと思った。なぜこんな所であなたは笑っていられる??

大勢の客の前で二人は舞う、小さな蝶の様にはかなく激しく燃える二人。
その時一人の客がハヤテに声をかける。
「ハヤテ・・・踊りなんてもういいよ。こっち来て酌してよ。」ハヤテの舞っていた身体がぴくっと止まった。蝶は花を見つけ、花は風にあおられる。
こわごわその声の主を見る。

ハヤテは戦慄した。その明るい茶色の髪、ハヤテほどではないが白い肌、まだ若いこんな人も出入りするのか??
でも私にとってその時声をかけられたのは、死を宣告されたようなものだった。
私はなにも聞こえなくなって、その人が目の前に来ていることに気付かなかった着物を掴まれ。
バっと左肩や胸をあらわにされる!!
まるでバラの花を誰かが握り潰した様に。
私は床にしゃがみ込みはだけた着物を必死で肌を隠す。「不知火の旦那何を!!」そんな言葉おかまいなしに不知火と呼ばれた男はハヤテのあごに手をかけハヤテの顔を見る・・・・・・・私の身体は動かなかった。
足に根っこでも生えたのかと錯覚するほど。
触れられたところが粘着質でとまった様に。
蝶の羽の様に輝きを放つ瞳からは逃げられなかった。
「俺の部屋に後で来い。
長くはまたないぞ・・・・急げよ。」


動けないでいた私に旦那が声をかけた。
「今すぐ着替えて、すぐに椿の間に行くんだよ。」

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