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*V
「あ゛―…、なんかもう最悪だ…」


俺は机に突っ伏して呟いた。





あれから1週間。
俺は雲雀さんを避けている。

何度か廊下で会った時に雲雀さんが声をかけてきたけど、俺は全部無視して目も合わせないようにしていた。

(っていうか雲雀さんが話しかけるなって言ったんじゃん。俺だって今は話したくないもんね)

でもばったり会った時の雲雀さんは何故か俺よりも傷ついた表情をしていて、俺が素通りするといつも後ろから視線を感じる。
俺はそれが嫌でどうしようもなくて、あんなに雲雀さんの隣が好きだったのに今は傍にいたくなくて。

だから避け続けた。





「…雲雀さんまだ怒ってるかな…。本当はちゃんと会って話した方がいいんだろうけど…」


今の状況で雲雀さんと会って話す、それは俺にとっては過酷で最も避けたいことだった。
このままでいいなんて勿論思わないし、雲雀さんがいない1週間はとても長く感じられて。

でもどうしても勇気が出なくて―――。


「あぁぁぁぁ俺の馬鹿ぁぁぁぁ…!しっかりしろよぉ…っ」


その時、ポンと頭に手が置かれた。
もしかして―――と思って勢いよく身体を起こす。




が、その手は大好きな人のものじゃなくて、骸のものだった。


「クフフ、浮かない顔してますね」
「別に…、何?」
「あぁ、教材を取りに行くのを手伝って貰おうと思いまして」
「…うん、いいよ」



(なんかもう、どうでもいいや)

骸は大事な友達だし、良い奴だし。
雲雀さんは考え過ぎなんだよ、きっとそうだよ。


俺と骸は教材室に向かった。








教材室は校舎の隅に在って、用事が無ければわざわざ来ることはない場所だ。
殆ど人が来ない所為か少し埃っぽい。

静かな廊下に足音だけが聞こえる。
その空気を破ったのは骸だった。


「最近雲雀恭弥と一緒にいませんね。やはり喧嘩でしょう?」
「な…っ、だから違うってば」



痛いところを突かれて声が上ずる。
(考えないようにしようってさっき決めたのに…。なんでこの話題なんだよっ)


「ただちょっと…、今は話したくないって言うか、逃げてるのは分かってるんだけど…」




俺は逃げてるんだ。

あの日からずっと、

自分が気まずくなるのが嫌で。

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あきゅろす。
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