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*これからは
その後の出来事は殆ど覚えていない。



俺は血を吸われ過ぎて貧血を起こして、恭弥さんにおぶって屋敷まで連れ帰ってもらった気はするけど。



その間も恭弥さんは何度も謝ってきた。



俺がお願いしたんだから別にいいんですよって言ったら優しく笑って傷口を手当してくれた。



それからどうやって戻ってきたのかは分からないけど…、





次の日の朝、俺は自分の家のベッドに寝ていた。











「…おいダメツナ、起きろ」

「…んー…、…あれリボじい…お前病気が治って…………って、ああ!」

「おめぇ俺の為にヒバリンを退治しに行ったんじゃなかったのか。何呑気に寝てやがる…」



久しぶりにこんなに機嫌が悪いリボじいを見た。
それもそのはずか。俺は何のために森に行ったのかをすっかり忘れていた。



「っていうかリボじい病気は!?もしかして治ったの?」

「そんなもん最初からなってねぇんだ。おめぇをテストするつもりだったんだが…、結果はどう判定したらいいか分かんねぇぞ」

「ねぇ、君本当にこんなところに住んでるの?ものすごく狭いね」





今ではもう聞き慣れた声がして、朦朧としていた意識が覚醒する。
声の方に目線を向けると案の定恭弥さんが扉に寄りかかってこちらを観察していた。



「恭弥さん…!…っと、リボじい変な誤解しないでよ!恭弥さんは本当はすごくいい人で…」



なんでここにいるのかは分からないけど、とりあえず説明だけでもしておこうと思って口を開いた。



しかし次に発せられたのは思いもしない言葉で…、



「昨日も言ったけど僕、君の血じゃないと駄目な体質になってしまってね。だから好きな時に頂けるようにこれからは毎日来るから」

「そういうことだぞ。あ、ちなみに吸血鬼は光が苦手だから一緒には住めないぞ。おめぇは修行があるから森に行けるのは少ないしな。こいつから来てくれて良かったじゃねぇか」






……はい?






(…え、ってことはリボじいが恭弥さんを認めちゃったってこと!?吸血鬼なのに!?えぇ!)






「おいで、綱吉」



恭弥さんが俺に手を差し伸べる。

俺はベッドから飛び降りて大好きな声の主に抱きついた。





「…っ大好きです、恭弥さん…!」




(―――でも一緒にいられるなら何でもいいやっ)











むかしむかしあるところに、伝説の怪物使いの血を引き継いだ一人の少年がいました。
吸血鬼を退治する為に森に向かった少年でしたが、二人は恋に落ちてしまいました。


二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。


END

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