□似合ってんじゃねぇか(ザンスク)
ボンゴレ独立暗殺部隊の名を聞いて震え上がらない者は、今やイタリアに限らずほぼ全世界に居はしないだろう。
最強で凶悪のヴァリアクオリティを持った彼らは、ボンゴレ10代目に最も相応しいと謳われた男についていくと決めた者ばかりだ。
しかしその男は以外にも、純粋で一途なのであった。
「…………カス、なんだそれは」
「んぁ?ああ、ルッスーリアの土産だ」
そう言うスクアーロの手元には、黒ぶちの眼鏡が握られていた。
元々整った顔立ちのスクアーロがかけたら、さぞかし似合うことだろう。
「でもよぉ、あいつ度入り買ってきやがったんだぜぇ。俺は目悪くねぇし、捨てるしかねえなぁ」
待て待て待て。
捨てたら眼鏡カスが見れねぇじゃねえか。
……後であのオカマぶっ飛ばしてやる。
「あ、ボスさんいるかぁ?」
「いるわけねぇだろ。…………いや、貸せ」
俺は今いいことを思いついた。
レンズが邪魔ならかっ消してしまえばいいのだ。
俺はデコピンでレンズを割り、カスに投げ返した。
「な、何しやがんだぁ!」
「かけろ」
「は?」
「伊達なら構わねぇだろ」
「何言ってんだぁ?俺は眼鏡なんてかけねえって―――」
「いいからやれ」
鋭く言い放つとスクアーロはぶつぶつ文句を言いながら、眼鏡をかけた。
「これでいいのかぁ?」
「………………」
―――似合ってんじゃねぇか。
銀髪と色素の薄い白い肌と瞳の中央に、真逆の性質を持つ黒い眼鏡が堂々と構えている。
しかもさすが俺、綺麗にレンズが割れている。
いつもと違った印象に、何と表現していいか分からない気持ちが込み上げてくる。
「ザンザス、もういいかぁ?」
何と表せばいいのだろうか。
「おいザンザス」
この気持ちは―――
「…分かんねぇ」
「あ?」
「なんかムカつく。ベッドに行くぞ」
「な、意味分かんねぇよ!なんでそうなるんだぁ!?」
「うるせぇ」
「放せクソボスがぁぁぁぁぁぁ!」
だが一つだけ分かる。
カスが可愛いと思ってしまった自分がいた。
END
甘いボスを書きたかった筈なんですが…orz
ザンザスはきっとムラムラしてたんですね。
ありがとうございました!
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