□フランの興味(ヴァリアー)
「あのー、一つ聞きたいことがあるんですがー」
フランの一言でその場にいたヴァリアー幹部の人間が、一斉に目線を上げた。
「何だぁ?」
「しししっ。プライベートだったら遠慮するぜ」
「堕王子の私生活に興味無いんで安心して下さいー」
「カチ―ン」
「落ち着きなさい、ベル。それで、一体何を聞きたいのかしら?」
「じゃあ率直に言っちゃいますがー…。隊長がボスとあんなことやこんなことしてるって本当ですか」
何処かで忍耐が切れる音が聞こえた。
それはルッスーリアでもベルでも、スクアーロ本人でもなくて、
レヴィのものだった。
「ななななな何を言っている貴様!ボスがそんな淫乱なことをするわけないではないか!」
「唾飛ばすんじゃねぇよムッツリが」
「だいたいそんなことをしたら今スクアーロは生きていないぞ!必ず殺されている!」
「あらぁ、やきもちかしら。気持ち悪いわね♪」
「だってー、昨日ボスの部屋の前を通ったら隊長の無様な喘ぎ声が聞こえたのでー」
「そんな筈はない!貴様の言っていることはでたらめだ!」
一通り会話を交わし終わったところで、静まり返った部屋にレヴィの荒い息遣いだけが聞こえた。
フランはえーそうなんですかー、つまんないですーとかぶつぶつ文句を言っている。
「っていうか変態雷オヤジの意見は聞いてないですー。どうなんですか隊長―」
「おま…本人にそれ聞くのかよ…」
「ぶっ飛ばされるわよ」
しかしスクアーロは話しかけても一点を見つめて、固まったままだった。
その表情は引きつっているというか、怯えているというか、微妙なものだった。
「スクー?どうしたのよ」
「レヴィのキモさに口が聞けないんじゃね」
「なっ!ふざけるな!」
「センパーイ、隊長が動きませんー」
「だからレヴィのキモさに……って、どこ見て―――」
「ボボボボボボボス!!!」
一際気持ち悪さを増したレヴィの声が部屋中に響き渡る。
振り返るとドアの前で炎を灯しているザンザスが目に入った。
「あ、なるほどー。隊長はボスを見て固まってたんですねー」
「っていうか逃げろ…!」
「ちょ…本気でやばいわよ…!」
「……………………カス」
ザンザスガ口を開いた。
その声は普段の声とは似ても似つかないほど低く、重みがあった。
「よ、よぉザンザス…。あれだぁ、こいつらが勝手に話を進めててだなぁ」
「私は夕ご飯の話をしてただけよ♪」
「ミーは雷オヤジの言うことを今だけ信じますー」
「ボ、ボス…、これはフランが…」
「黙れキモいエロいグロいヒゲハナゲ死ねー」
「しししっ。俺おつかいに行ってくるわ」
「お前ら話逸らしてんじゃねぇぞぉぉぉい!俺は何も悪くねぇぇぇ!」
「…………………カス、来い」
そのままスクアーロは無理矢理ザンザスに連行されていった。
あの二人は明日の朝まで帰ってこないだろうなと、レヴィ以外の全員は思っていた。
END
ヴァリアーは書いててすごく楽しいです(笑)
レヴィの影が薄すぎて口調をよく覚えていません←
ありがとうございました!
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