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小説(舞台キャラ小説)
広く深い海(親官)
「咎狂わし絆」の元親と官兵衛のその後。官兵衛さんは死んでいます。






元親は崖の下ですでに事切れている官兵衛を見つけた。



「黒田…。くそっ!何でっ…!何でなんだ!
俺は…こんなの…こんなの望んでない!あんたにっ!あんたに死んでほしいなんてっ!」



しばらくして官兵衛の隣で泣き崩れていた元親の元に「徳川家康が石田三成を討った」という知らせが入った。

また、刑部も家康との戦いで命を落としたという。しかし、毛利は「壊滅した四国の復興に尽力すること」を条件に処刑を免れ再び安芸を治める事になった。いかにも家康らしい決断であった。

家康の手によって日ノ本に平穏が訪れたのだった。




元親は野郎共に官兵衛を自らの船に運ばせた。


官兵衛を他の誰にも、特に毛利には渡したくはなかった。


元親は官兵衛の崖から飛び降りる直前の言葉が頭から離れなかった。




「…こんな、たいそうなもんぶら下げちゃいるが、小生はもっと大きな…『豊臣』という枷を外せなかったんだ…。」




元親は船の甲板の先に官兵衛を寄りかからせ、自分はその隣に腰かけた。


「なあ。黒田。あんたは………枷を外せたのか?『豊臣』って枷をさ。でも…、こんなやり方じゃどうしようもねえじゃねえか。」


元親は遠くの空を眺めながら隣の官兵衛に話しかけた。


「俺は…。あんたに生きていてほしかった。あんたにとっては辛いことかもしれねぇが、生きて償ってほしかったんだ。…出来れば一緒に四国を創っていってほしかったんだがよぉ。


…あんたは縛られ続けてたんだな。豊臣に、石田や刑部、毛利に。そして…、俺たちに。


黒田ぁ。あんたとは、もっと違う出会い方をしてたら、いいダチになれたと思うんだがよぉ。あんたにこの広ぇ海を見せてやりたかったよ…。」



そう言うと元親は、官兵衛のいくらか水分が抜け軽くなった体を抱えあげ、船の先端に立った。



「あんたは、自由に生きろ!この海は広ぇぞ!この海は全部あんたのモンだ!」



そのとき甲板を強い風が吹き抜けた。


風が吹き抜けた後、そこには元親一人が立ち尽くしていた。






→あとがき
何度咎狂のDVDの元親と官兵衛の絡みをループしていることでしょうww

官兵衛が前に出ていた3の時は、官兵衛と元親の絡みはほとんど無くて、基本鍵探してましたww

確か、舞台3(無印)と3瀬戸内響嵐のときは元親は毛利が四国攻めの首謀者なのは知ってるけど、実行犯が官兵衛なのは知らなかったはず…。確かww

だから今回2人の話を入れてくれて嬉しかったです!

私、横くんの官兵衛大好きなんです。もちろん裕ニ郎さんの官兵衛も好きなんだけどね。

官兵衛が飛び降りて元親が叫んだ後の暗転での官兵衛の台詞が好きなんです。

きっと元親は官兵衛に死んでほしくなかった、と信じています。

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