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掻き分けた先、視界が広がる。

そこには、自分の想像と大分かけ離れた、ある意味正解な風景が広がっていた。

水樹の気配に気づいていたのか、すぐ近くに玄武が佇んでいたので、水樹は彼に近寄る。

「来たか神子・・・。」

「えぇ、ねぇ玄武、あれはいったいなんなの?」

水樹が指差した先、そこには抜刀した青龍と銀髪で双剣を駆使して青龍に挑む自分とあまり変わらない歳の子供が切り結んでいた。

「あの童、どうも感覚が鋭いらしく、青龍の神気に気がついた。」

「え?あれだけ抑えてる青龍の気を?」

水樹は四神の神子だから、どんなに抑えようが気を感じられる。

だが徒人が気づくことは、まずあり得ない。

「彼、すごいのね。」

「あぁ、だが神気など今まで感じたことはなかったのだろう。青龍を妖と間違えた。」

「・・・は?」

「だから斬りかかった。」

神様を妖と間違えるなんて・・・。

だが、水樹にとってそこが問題ではない。

「玄武、何で止めないのよ・・・。」

「・・・あれが楽しそうでな。」

みると、滅多に変わらない青龍が心なしか微笑んでいる。

水樹は溜め息を吐き、鋼線を動かした。

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