A ふわふわ ふわふわ 四神達に暖かな気持ちが溢れ出す。 朝、食卓を五人で囲みながら、四神はいつもと違う感覚がした。 「神子?何かありましたか?」 尋ねられた水樹は、ご飯を掴んだ状態で固まり、目をぱちくりさせた。 「いきなりどうしたの朱雀?」 「いえ、ふわふわした感じがするんです。楽しそうな感じが。」 「へ?」 「我ら四神と神子は繋がっているからな。」 「だから俺ら、神子の気配や感情にすっげー敏感なわけ。」 「今朝の神子は・・・楽しそうだ。」 あぁ、そういうことか。 四神達の言葉がやっと理解できた水樹は、ふふっと微笑んだ。 「そうね、楽しいわよ。」 「喜ばしいことでもあったのでしょうか?」 「違うわ朱雀、あったんじゃなくて、これからあるの。」 「どういうことだ?」 コテン、と首をかしげながら青龍が問うが、如何せん図体のでかい青龍がやると可愛くない。 これが朱雀や玄武なら別だが。 「朝起きたら、庭に揚羽蝶が飛んでいたのよ。」 「は?庭にか?」 「そう、庭に。ね?何かありそうな気がするでしょ?私の勘だとね、これからに繋がる出逢いがありそうな予感がするの。」 楽しそうな神子とは反対に、四神の表情は険しくなる。 神子の部屋から庭にかけては、主や四神の許可なしでは、何人たりとも出入り不可能な結界が張ってある。 勿論、蝶など入れるわけがない。 しかも、神子は自分達の自慢の神子だ。 彼女が言うならば、本当にあるのかもしれない。 神子に危険が及ぶ出逢いでないことを、四神は祈った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |