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コンコン、と扉を叩く音が聞こえ、許可を求める声がルークだったので、クリムゾンは、すんなりと部屋へとうした。

「ルークよ、お前が一人ここに来るとは珍しいな、どうした。」

ルークは滅多に自分からクリムゾンに会いに来ることはないし、クリムゾンも好んでルークと会おうとはしなかった。

「はい、今日は父上にお訊きしたいことがありまして。」

「なんだ。」

「預言についてです。」

ルークがそれをいった瞬間、クリムゾンの顔色がガラッと変わった。

ルークは気づいていないように続ける。

「なぜ、ユリアの預言は七つまでしか無いのでしょうか、それをユリアはなぜ隠したのか。俺は疑問に思ったんです。七つしか詠まなかったんじゃなくて、七つまでしか無かったとしたら・・・、それはこの世界がその先にはないと言うことを意味しているのではないかと。だったら今は何番目くらいなのかと思いまして、確か、六番目までは発見されているんですよねユリアの預言。」

自分の息子が、淡々と続ける言葉を馬鹿なと切り捨てたい気持ちはあるが、確かに一理あると、思ってしまう自分がいることに、クリムゾンは内心冷や汗をかいた。

「何を言い出すのだルーク!!その様なことがあるわけなかろうが!!」

「なぜ、言い切れるのですか?」

「そ、れは・・・。」

「預言は絶対なのですよね?」

「も、もちろんだ。」

「そうですよね、国の政治に預言を取り入れ、それに頼りっぱなしですからね我が国は。ならば、もし万が一七番目の譜石に星の滅亡が詠まれていても、それに従うと言うことですね。」

「っ!!」

「でも、そうでない場合、星の滅亡は書いてないとして、七番目以降の世界にユリアの預言は存在しない。ダアトはどうするんでしょうね。第一に預言もはっきり言って絶対ではありませんよね。現に俺、三年前に誘拐されてますし?と言いますかなぜモースが堂々と城に行き来しているのでしょうか?彼確か、第七音素譜術士ではありませんよね。預言詠めないじゃないですか、我が国はダアトの属国に成り下がったのでしょうか?どうお考えです。父上?それに、ナタリア姫もなぜ堂々としてられるのでしょう。王家の血を引いていないのに。」

廊下のロゼリアは思った。

これは、ある種のいじめだ。

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あきゅろす。
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