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Oasis





「明けない夜はない」






古い昔の言葉を思い出した。





そうだ。



今こんなに大変でもいつかはきっとみんなで笑いあえる日が来るよね。




そう俺がずっと思ってたのは間違いだったのかな。








「雲雀さんっ!!」




俺は目の前にいる黒髪の男を呼びとめた。

彼の歩くスピードは異常に速く、俺が一生懸命走ってなんとか彼のもとまでたどりついた。


呼吸が落ち着くまで深呼吸を繰り返している間、雲雀さんは辛抱強く待っていてくれた。


「どうしたの?」


彼はそういって、俺の髪をふわっとなでた。

「…っ今日から、この城をしばらく離れるってほんとですか!?」

俺が思い切ってそう尋ねると彼の表情が少しだけ変わったようなきがした。

そしてゆっくりと目をそらし、そのまま静かに目を閉じた。


「隣国との境界線で、紛争が勃発しそうなんだ。それの粛清にいかなければ」

すごくにがにがしそうに彼はそういった。


それから
君を残して行きたくはないのだけど。
とそういった。

「それは…しかないですよね。いつぐらいに戻ってきますか?」

俺は内心すごく寂しいと思っていたけど、そんな顔を見せたくなかったので、無理やり笑顔を作ってそう尋ねてみた。


そんな俺の気持ちをわかったのか
、わかってないのか、雲雀さんはふっと笑って俺の頭をポンポンとした。


「すぐ戻ってくるよ」


そういった雲雀さんの顔は穏やかで、声もやさしかった。


朝日がキラキラが輝いている。
今日の天気は良好。

旅立ちにはもってこいの天候だ。




「じゃあ、行ってくる。大人しくしてるんだよ。」



「はい。雲雀さんも気をつけて。」



そう言うと、雲雀さんは 君は僕を誰だと思ってるのと言って俺の頭を軽くこづいた。

ははと笑顔で雲雀さんを見送った。

今度の俺の顔は作り笑いではなかった。

こころから笑えてたと思う。







.






でも。これが悪夢の始まりだなんて俺は気づきもしなかったんだ。

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あきゅろす。
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