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Oasis

何秒、こうして抱き合っていたかはわからないが、結構な時間がたっていた。



綱吉はいい加減恥ずかしくなったため、雲雀に離れてくれるように頼もうとした。




「ぁ、あのっ。雲雀さん?そろそろ、離れてくれませんか…?」




「やだ。」


やだって…!!!!

お前は子供かー!?


つっこみはさておき、ますます強く抱きしめる雲雀に綱吉は息が苦しくなった。



「ちょ、雲雀さん!?苦しいです〜」

半分涙目になりながら綱吉は雲雀に懇願した。




「オレの綱吉から離れろ。」



自分より少し低いが同じ性質の声が聞こえたと思ったら、俺は雲雀さんから引きはがされていた。



「また君?ところで、聞き捨てならないんだけど。何?“オレの綱吉”って。」



「言葉通りの意味だ。オレたちは一心同体なんだ。」



ツナは雲雀の高圧的な態度に負けず劣らずな態度で答えた。



「君、咬み殺されたいの」


「やれるものならやってみろ」



なんで、こうなんのー!?


綱吉は半分あきらめがはいりつつも、このままでは城が崩壊しかねないので、二人をなんとか止めようとした。



「っツナ!雲雀さん!!やめてくださいっ!!城が壊れますっ!」


ツナはその言葉を聞くとすぐ止まって、「お前がそういうなら」と納得した。



雲雀はそんなツナを見て戦意喪失したのか愛武器、トンファーを構えるのをやめ、綱吉のほうにやってきた。


「な、なんですか?」


綱吉は焦った声で雲雀に問いながら、後ずさりをした。


そんな綱吉を見た雲雀は少々むっとしたのか眉を少しだけひそめたがいつものことなので、そのまま綱吉のところまでやってきて、綱吉のおでこにキスをした。



「じゃ。気をつけるんだよ?」



綱吉は雲雀のとった突飛な行動の真意が読めないため、顔は真っ赤に、心臓がどきどきしたまま、雲雀の顔を口をパクパクしながら見つめてた。



*+*+*+*+*+*+*

「綱吉。白蘭になんて言われた?」

あの後、自分たちの部屋に帰ってから一言も発しなかったツナが重い口を開いた。


「ん?いつもの通りだよ。アイツ、俺のこと利用しようとしてるんだよ。」


能天気な綱吉を見たツナは

「…違うと思うな」

とぼそっとつぶやいた。


「ん?なんかいった?」

綱吉は首をかしげツナを上目づかいで見つめた。

「いや。なんでもない。」



―余計な心配はさせない。


オレが綱吉を守る。



この純真無垢な笑顔を。







ツナは生まれてきてから弟である、綱吉のことを考えない日はなかった。


彼の心の中に、綱吉以外のものはなかった。


元ボンゴレ王国であったこの国で双子が生まれることは初めてのことであった。

だから王位継承者はどちらかでもめたのであった。

大臣の多くはツナが王位継承者になることを推薦した。

なぜなら、ツナは兄であるし、また聡明であり、武芸にも秀でていたからだ。


だが、王である、ジョットはツナではなく綱吉を選んだ。


ジョットは見抜いていたのである。

ツナは綱吉のためにしかものを考えられないということを。


ツナは綱吉のために、国全部を捨ててしまうだろうということをわかっていたから、すべてを包めるような綱吉のほうが王位継承者に向いているだろうと思い、綱吉を第一皇子としたのであった。



ツナはそのことに満足していた。



だって、ジョットの言うことは正しかったのだから。






―オレは綱吉のそばで綱吉のことだけ考えて生きていきたい。

オレは綱吉の影でいいのだ。



だから。



彼を守ろう。




命がけで。




ツナは心にそう誓ったまま瞳をそっと閉じた。











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あきゅろす。
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