愛の鎖 6 それ以来、俺は雲雀さん毎日犯され続けた。 『言うことを聞かないと君の友達とやらに僕としていたことバラすよ?』 などと脅されてしまっては俺は逆らうことなどできなかった。俺は初めてできた友人を失いたくなかったのだ。だから何としてでも彼らにバレたくなかった。嫌でも雲雀さんの強姦まがいな行為にも必死で耐え続けた。 でもほんとはとても心が痛かった。 俺と雲雀さんはずっと一緒に、仲良くやってきたのに、急に雲雀さんがかわってしまって。 こんなひどいことをするようになって…。 雲雀さんは俺のこと嫌いなの? 嫌いだからこんなにひどいことをするようになったの? そんな疑問ばっか生まれて、俺は雲雀さんに無理やり抱かれるたびに心が壊れていった。 そしてある日、一番おこってほしくなかったことが起きた。 ◇ 『ふ…。綱吉、感じてるの?こんなに濡らして、いやらしいね。』 そういって雲雀さんは俺の蕾の中に細長い指を突っ込んだ。 『きゃうぅ…!ぁあっ…!』 くすくす笑いながら雲雀さんは俺の中をぐちゃぐちゃとかきまわす。するとその指が俺の前立腺を掠めたため俺は体をビクリと跳ねさせた。 『淫乱な子。こんな姿、獄寺隼人や山本武がみたらどうするの?』 雲雀さんは目を細め、獲物を見つけた捕食動物のように笑った。そして俺の前立腺を押しつぶすように刺激を加えると、俺の陰茎からはぴゅくっともう薄くなってしまった精液がでた。 『やぁ!ごくでらく、と、やまもとには、いわないでぇ!』 俺は瞳の端に涙を溜めながらそう言うと、雲雀さんはアハハハと大声で笑った。 俺はその様子にびっくりして、雲雀さんの方を向くと、雲雀さんに急に俺の中から指を抜いて、代わりに自身の滾る陰茎を突っ込んだ。 『ひゃぁああッ!あちゅいぃっ!ぁあんッ!』 ぎちょん ぐちゅんッ 激しい律動を感じ、俺はギュッとソファーを掴んで、そこに爪あとをつくった。 『綱吉…。気持ちいい?』 『あぁあんッ、きもちいいよぉッ!』 俺はもうおかしくなってしまった頭でそう答えた。するとその答えに満足したのか雲雀さんはさらに律動を速くして、パンパンっという乾いた音が響いた。 『フフ。綱吉、前見てごらんよ。』 雲雀さんは律動をしながらそう言った、俺は四つん這いになったまま前の方をみると、応接室のドアはいつのまにか開いていて、そこには獄寺くんと山本が立っていた。 『あ、…ごくでらくん…、やまもと…どして…。』 俺は目の前が真っ暗になろような気がした。 (いつから、いつから見られてたんだろう、こんなところ…。 こんなところみられて…俺…。) 『僕が呼んでおいておいたのさ。僕と綱吉の仲を見せつけるために。』 そういって雲雀さんはまたもピストンを始めた。 『ねぇ、君たち邪魔だよ。もう分かっただろう?綱吉は僕とずっとこんなことしていたのさ。君らなんかより僕のほうが綱吉とつながっているんだよ。』 雲雀さんがそういったあと、二人が応接室から出ていく音が聞こえた。ほんとは俺は追いかけて、二人を引きとめたかったけど、もうどうでもよくなっていた。 なにもかもどうでもよくなっていたのだ。 涙さえ、もう出てこなくなった。 『綱吉、綱吉。これでずっと一緒だよ。』 雲雀さんが狂ったように俺の耳元で囁く。 その声を聞いたあと、俺の記憶は途絶えた。 ◇ そのあと、俺は学校に行かなくなった。というか行けるはずなどなかった。あの心優しい友人たちに合わせる顔などなかったし、なによりもう、雲雀さんに会いたくなかった。 そして俺は雲雀さんにも誰にも内緒で、全寮制の黒曜高に転入する手続きをとって、あの日から一週間後、俺は並盛を離れて、この黒曜高校に転校してきたのだ。 * * * 「俺のこの痣は、雲雀さんに乱暴されてた時についたやつなんだ。もう痛くないんだけど…なかなか消えなくて…。」 綱吉君は懸命に明るく話そうとするが、表情はとても苦しそうだったし、手はかすかに震えていた。そんな辛い過去があるなんて思ってもなかった。 もちろん、“何か”はあるだろうと思っていたがまさかこんな酷いことだとは思ってもみなかった。 この痣はいずれ消えることはあっても彼が受けた心の傷は一生消えないだろうと思った。 信頼してた先輩にレイプされて、それを友人にばらされて…。 こんないたいけな少年に耐えられるはずなど…。 「骸がそんな顔しなくてもいいんだよ?」 そう言って綱吉君は困ったように微笑んだ。 「俺はもう大丈夫だし。ここには俺のこと知ってる人もいないしさ。気楽にやっていけるよ。」 そういって綱吉君は腕をぐーっと伸ばして体の柔軟をやっていた。だがまだ彼の指はかすかに震えていた。 「…無理しないでください。せめて、僕の前だけでも…。」 僕はそう言って綱吉くんの頭を僕の胸によせた。 「泣きたかったら泣いてもいいし、苦しかったら苦しいって言って下さい。僕の胸ならいつでも貸しますから。」 すると綱吉君はぷっと吹き出して「キザ。」といった。 「なんですか。こっちはせっかく…」 僕は少し拗ねてそう言おうとしたら綱吉君はぎゅっと僕の制服を掴んでいた。 「ちょっとだけ…ちょっとだけこうしててもいい?」 消え入るとような声でそう言ったと思えば、グスっと鼻をすする音が聞こえた。 僕はただ綱吉君の頭をぽんっと撫でて、彼が泣きやむのをそっと待った。 その時僕は、彼をがんじがらめに縛りつけている狂愛の鎖を僕が断ち切ってあげれれば、と確かに思った。 第三話に続く BACK |