[携帯モード] [URL送信]

崩壊エゴイズム

気づいたら、暗闇の中、俺は裸のまま、白いシーツの上にいた。
そして、両手首には手錠が付けられていて、それは鉛のように重く、手を上にあげることすら億劫にさせる重さがあった。
「ここ、どこだよ」
俺はぼそっと独り言を言うとパチンと明りが付けられた。
するとそこには、ジョットが経っていて、彼は部屋のはしっこのほうで壁にもたれて立っていた。
「やっと起きたようだな」
彼はそういうと俺のほうに少し近づいてきた。
「なに、する気なんだよ、こんな手錠なんて付けて」
「お前が逃げないようにするためだ」
ジョットは詫びもなにもいれないままそう答えると、俺の横に座った。
「綱吉は、自分が誰のものかわかっていないようだから、少しお仕置きをしてやらんといかんな」
彼はそういいながら、俺の髪を梳いた。
そして、首筋に見える紅い斑点を親指でなぞってから、髪の毛を思いきり引っ張った。
「ッッ」
「こんな私の物ではない所有印などつけて…、」
ジョットはまだ俺の髪を引っ張ったままそう言った。そして徐々に力を込めて引っ張りだすので、俺は髪の毛は抜けてしまうのではないかと思った。
「ったい…!ジョット痛い!」
俺はそう涙声で叫ぶと彼はそっと俺の髪から手を離した。
そしてまた立ちあがってさっき自分がいたところまで歩いて行った。
俺は彼の後ろ姿を見て少しほっとした。
もう特になにもされないと思ったのだ。
しかし、それは間違いであった。

「綱吉、この部屋がどこかわかるか」
彼は唐突にそう言った。
「え…ジョットの私室なんじゃないの」
俺がそういうと彼は笑った。
「そうだ。ここは特別でな」
そういって彼は部屋の隅にあるボタンを押した。
するとガーという音を立てて壁の部分が透明なガラスに変わっていった。
「ここ…!」
「そうだ。ここのとなりはお前の部屋だ」
そういって、ジョットはくつくつと笑いながら、また綱吉のところに戻ってきた。
「なに…何笑ってんだよ、なんで俺の部屋の隣にこんな部屋つくってんだよ!」
俺はジョットのあまりの気味悪さに思わず大声を出した。
だが彼は笑いをやめない。
「なぁ綱吉。今からお前の部屋にお前の守護者を呼んだらどうなると思う?」
彼はそう言いながら、自分の首元を絞めていたネクタイをほどいた。
「な…」
「私がお前を犯している間に、ここにお前の守護者が来たらどうする、といったのだ」
彼は笑いながらそういうと俺の軟弱な腰に手を回した。
「な、何言ってんだよ!そんなこと…」
俺はそんなことするはずがない、と言おうとしたが、ジョットの顔を見ると彼の顔はいたって冗談など言っている顔ではなかった。
本当に彼ならやりかねない、と思った。
「や、やめろよ、そんなこと」
俺は震える声でそう言った。
だがジョットは何も言わず、俺の胸のあたりを触り始めた。
「やめ、やめて…やめてよ、ジョット、そんなこと…!」
俺は涙ぐんだ声を出しながらジョットに懇願した。
すると彼は俺の顔をそっとさわりそれから、にこっと笑ってこう言った。
「もう、お前の守護者は呼んだよ。だから今更そんなこと言われても、」

無理だな。

彼はそう言った後、俺の身体をどんと押し倒した。




[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!