風と雨
警戒するべき少年たち
綱吉と別れたリボーンは早速ディーノに連絡を取った。この世界において情報は命だ。
「久しぶりだなディーノ。」
「リボーンか。」
電話の奥でホッとするディーノの声がする。リボーンはそんなディーノの様子に疑問を感じながらも要件を話す。
「いきなりで悪いが調べて欲しいことがある。」
「なんだ?」
「ムクロという少年についてだ。」
「リボーン、それは本当か!?」
「何を言ってやがる。」
本当もなにも…、そんなに有名な奴なのか、ムクロという少年は。それに先ほどのディーノの様子から見るとなにかあったのは間違いないだろう。
「いや、リボーンから電話がある前に電話があったんだが……、そいつはムクロという少年について俺に知らせてきたんだ。」
「!?ソイツの名前は?」
「名前は言わなかったからわからねーが同盟ファミリーと言っていた。リボーン、心当たりでもあるのか?」
「何で名前聞かねーんだ。……心当たりはあると言ったらあるが…。まぁ、いい。ソイツが話したことを言え。」
やはり、戒だろうか。しかし、何故奴が……。メリットもないはずなのに。
「えっと、俺が調べたことも混ぜて話すからな。2週間前にイタリアで集団脱獄事件が起きた。起きた場所が大罪を犯したマフィアばかりを収容している監獄だ。そんな奴らの集まる場所であるにもかかわらず、脱獄犯はそこの看守と他の囚人を皆殺しにした。主犯はムクロと言う少年たち3人組。ちょうど死刑執行前だったらしいが。他にも加わった者たちが4人いるが、消息は不明。まっ、こいつらは関係ねーだろう。んで、ムクロたちは日本に向かったという足取りがつかめた。そして、黒曜中に帰国子女が転入して不良をまとめたのが10日前。リーダーの名を六道骸と言うらしい。これぐらいしかわからなかったが、役に立つか?」
「助かるぞ、ディーノ。もし問題の連中と同一人物なら奴らが妙な手をうってくるのも納得できるな。脱獄したばかりでこちらの情報を持ってねーんだからな。」
「妙な手?」
「あぁ、フゥ太のランキングを使って歯でカウントダウンしてやがるんだ。だが、お前の力を借りる訳にはいかねー。この件は9代目からツナへ指令がきてるんだ。」
「やっぱり…。電話をしてきた奴も同じことを言っていたんだ。しかし、他に9代目の指令書を読める奴なんていないはずだ。リボーン、今以上に綱吉の周囲に気を配った方がいい。」
「あぁ、わかってる。それとディーノ、オレに命令するな。念の為、ボンゴレ医療班をよこして欲しい。」
「わかった。早速9代目に連絡してみる。あと、写真をそちらに送る。見ておいてくれ。」
「わかった。頼んだぞ、ディーノ。」
そんな中、鴉が2羽、電話ボックスでディーノと連絡をとるリボーンをずっと見ていた。1羽はリボーンがディーノと電話を止めた時に飛び立ち、もう1羽は引き続きリボーンを見ていた。リボーンを見ている鴉たちは交代しながら主の元へ定期的に帰っていく。
勿論、リボーンは監視されていることを知りもしなかったし、気付きもしなかった。鴉を通して紗紅夜に。
警戒するべき少年たち
(情報がなければないほど警戒は強くなる)
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