[携帯モード] [URL送信]

TIME
8




「‥‥は?


未央、
頭やっぱりおかしいよ」






「俺は正気だよ。
頭がおかしいのはじゅりだ





何でこんなに兄貴より
俺の方が一緒にいたのに、
俺じゃなくて兄貴を好きに
なっちまったんだよ…」









あんなに強気しか見せなかった大人の未央が今にも

泣きそうな顔をした。







「…もしかして、それだけの為に未来からきたの?」





「それだけって…
俺は今からやり直しにかかりに来たんだ。





じゅりが俺を好きになるように。」




未央が私を見つめる。






「‥‥私が未央を好きに
なるなんて、



ありえないわよ」




私がフイっと目をそらした。野性の勘が見すぎちゃダメだと警報ベルを鳴らす。




「それは、どうかな」




未央が自分の唇に軽く曲げた人差し指を軽くつけた。



「何よ、それ」



じゅりが未央を睨む。



「俺はもう、奥手で臆病な朝倉未央じゃない。




どんな汚い手だって使ってやるよ」









さっきの泣きそうだった昔の未央の表情は





今じゃどこにもない。








ハッキリと、




私を振り向かせるという
未央は、前の未央じゃない


未来から来た未央は眼鏡
をはずすと私の目をじっと



睨んだ。






揺るぎのない目。
私がどんだけ洋一のことを
好きだと言ってもこの未央は納得しないんだろう…




じゅりは、その目を見て
一瞬で理解した。









「じゃぁ、
明日からよろしく」









そう言うと未央は、
じゅりの部屋を後にした。







<前>

8/8ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!