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Present Novel
スリーアイ








「りこー!何怒ってんの?」






「大地が鈍い」







「えー何がー」







私は廊下を早歩きで、
歩き



追い掛ける大地の方へ、
バッと振りかえると





「私は、
ずっと大地が好きなんだよ!」






「俺もだよ」






「あんたの好きは
家族愛でしょ!!!」





「うん」





「私の好きは
そんな好きとは、違うの」





「なんだよ違うのかよ」






大地が
「ちぇっ」と呟く。






あんたは
鈍い‥‥誰よりも
君が好きなんだよ私は。





「大地と同じクラスになって


一緒に帰ったり、


手繋いだり、

2人で遊んだりしたかった」





「そんなん、いつも
してんじゃん。手は繋いで
ないけど」





「だから、
私の好きは、そーゆー
好きなんだってば!!」





「りこ」





大地が急に声のトーンを
下げて私の名前を呼んだ。





私、一人、
興奮して馬鹿みたい。





「りこ!!」






私が無視をして歩きだすと
今度は強く、大地が名前を
呼ぶ。





そんなに、
私の名前を呼ばないでよ





更に
君を好きになってしまう…





「りこ!!聞け!」





私は素直に大地の方へ
向き直る。






「言っとくけど、



付き合いたいとか

手、繋ぎたいとか、

抱きしめたいとか







そんなのとっくんのとうに
持ち合わせた、
感情だよっ!!!」





「ちょっ‥
ちょっと待ってよ




私、手繋ぎたいは言ったし
付き合いたいとか
思ったけど

最後の一言なんて
言ってないから」





「あっ、そっか…。




でもそんなのともかく、
俺は、りこのこと

好きで大好きで愛してんだ」







「え!?
でも、大地、さっき
家族愛で、うんっていったじゃん!!」







「うん」







そういうと大地は
頭をかいて、私を人気の
無い場所へと連れ出す。







「それは、





この先、俺たちが
結婚したら、そりゃあ
りこは、俺の奥さんになる
わけだから、




そこで生まれる好きは、







家族愛の好きだろ!」








「はぁ?
わかりにくっ」






「何でだよっ」







そういうと大地は、
私の頭を撫でて






「わかったか、馬鹿野郎」







と言った。








大地、
私は、野郎じゃないし、
そんな意味わからないこと
言われたってすぐ
理解できる








わけないでしょっ。



でも、
あまりにも喉を鳴らす猫の
気持ちがわかるくらい
君の手が温かいから、



毒を吐くのは、
後にしてあげるね。







4月に、
クラス替え掲示板は
一緒に見に行こう。





こんな季節じゃ桜は
もうすぐ満開だよ。






私の隣にはやはり君がいて
温かい手を繋ぎながら
『同じクラスになれたら良いなぁ』なんて、




例え君と離れたって
何度だって君に会いにいく






いつしか
会いにいってる内に
君の瞳に吸い込まれ、



その感情は
愛情に変わっていく
のでしょう。








そしていつしか
私達とよべる家族に
恵まれるまで



君には
永遠に私の名を呼んで
いてほしい








END.


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