Present Novel 悪魔の罠にかかる時 市民プールまでは、 家から歩いて30分。その間 弟達と妹は手を繋いで歩く。私はと言えば三人のウキワやら荷物なんかを持つ。 ぁあ、プールなんか 行きたくない。 市民プールに着くと、 弟達は私から荷物を奪ってそそくさと更衣室に行ってしまい、私と妹は女子更衣室に入って水着に着替え始めた。 妹はピンクの可愛いレースが沢山ついた水着で(父が妹を溺愛してる為買ってもらった物) 私は夏休み彼氏が出来たら一緒に海に行こうと買った(実際に夏休みまでに彼氏は出来なかったけども)白の布地に黒い水玉のビキニを着た。 着てみると、私がいつもしている二つ結びが似合わなかったので、ゴムを外して髪をおろした。 そして妹と手を繋いで歩き始めた時に、後ろから髪を引っ張られた。 「痛いっ!」 軽く叫ぶと髪を引っ張っていた手が離れる。その代わりに懐かしい声がした。 「久しぶり。」 「あ、」 「やっぱり、なこだ」 私の尚子という名前を「なこ」と呼ぶのは、この人しかいない。 「拓郎っ、」 私の2個上の、幼なじみ。 2年前に、隣町に引っ越した大好きな幼なじみだ。 前*#次 |