Present Novel
悪魔の罠にかかる時
そう決心した瞬間何人かの手が私の脇腹をくすぐりはじめた。
私は昔から脇腹をくすぐられるのに弱い。
「ちょっ‥わかったから!」
勢いよく叫んで起き上がると2人の弟がニヤリと笑い、私の横で妹が、ウキワを私に見せながら、口ぱくで
『プール』
と言った。
私に予定のような夏休みが来ることはない。
待っているのは小学生の妹と弟達の世話係というポジション。
誰かに、このポジションを譲るから、誰か私に普通の高校一年生の夏休みをくれ!と心の中で叫びながら、プールに行く用意をし始めた。
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