愛の歌(完) 2 俺たちの住んでいる『オオセト町』はここだけかなり田舎でバイクなんて一台も通ってないし、車だって珍しい。 交通はほとんど皆自転車で隣町まで行かないとハンバーガー屋まで無い。それに第一ここから隣町まで55qある。正直自転車じゃないと面倒だ。 俺たちの親はとても仲が良い。 いわゆる俺とサキは親も認める仲だ。 「でもなんでまた、ハンバーガー屋なんだよ…」 「陸、ダメなの?」 「ダメじゃないけど遠いし‥帰るの遅くなるよ…?」 「サキと長くいるの嫌なの?!」 「そんなこたぁないよ。俺だってサキと長くいたいよ」 「じゃぁ、良いじゃない」 「…‥嘘つけ。そんな理由じゃぁねーだろ?」 「ヴ…」 「言えよ」 「……」 「サキ!!!」 「‥…っ‥はぁ…実はね‥」 「おう。」 「私、来週から大野さん家に行くの」 ガタガタガタッッ あまりにサキが変なことを言い出すので俺は自転車で転げおちた。(もちろん後ろに乗ってたサキも‥) 「なっッ大野って…あの金持ちの…?!」 「うん」 「なして?!」 「……」 「サキ!!!!」 [前へ][次へ] [戻る] |