非BL小説 悪意の拡散 警察は何もしてくれない、というより、出来なかった。 「相手が分かれば・・・。それに、人を殺したって言っていても、それで脅迫してきているのでもないしね。それに、こういうのは具体性がないし、たぶんただの虚勢だね」 それが相談に乗ってくれた、警官の答えだった。 「とにかく、こういった相手は、反応されるのを喜ぶ。そのブログは閉鎖して、相手が分かったら、連絡して。後は、家の周囲をパトロールもするし、ね」 それ以外、方法がないのだと言う。 「この拍手コメント、パソコンからだからね。個人のパソコンからじゃないと、考えた方が良いよ。漫画喫茶とか、未だに、会員証発行していない処あるんだよね・・・。それ以外でも、一次的にパソコン使用できる施設ってあるし。ブログは、けっこうトラブル多いし、気を付けなさい」 雅は、アドバイスどうりに、ブログを閉鎖した。 「雅ちゃん・・・。掲示板に、ケセラの事が乗っている・・・」 震える里佳子からの電話に、雅は愕然とした。 巨大な掲示板に、ある、ケセラの名。 『ケセラだよ〜〜。昨日は、3Pマジ疲れたって言うの。白人の男達とだったけれど、大きさの割に軟くって』 赤裸々なケセラの偽物の、レス。 『ケセラ、肉便器、日本の恥』 『俺にも、突っ込ませろwwww』 『支援』 ケセラの発言を煽る者、怒る者、賛同する者。 大勢の、悪意と興味の文字の羅列の下。 ケセラの正体は、木之本里佳子(きのもとりかこ) そう・・・書き込まれていた。 続けて、上げられる、添付画像。里佳子の、遠目だが、顔の判別できる写真。 『この子知っている!』 『きた!スネークよろ!』 『同じ学校だぜ。スネーク了解』 『最寄駅、●●』 『フリーの奴集合。ケセラ観察オフ会、開催決定!』 『学校名、晴嵐女子高等学校なう!』 『お、あそこの制服、良いねえ』 『制服でリアルイメクラきぼんぬ』 『ぶっかけ、きぼんぬ』 『だいじょうびー、ケセラだから』 『ケセラだしー』 『ケセラだもん』 「違う!違う!私、ケセラじゃない!ケセラじゃない!」 半狂乱で、パソコン画面を見つめながら、里佳子は叫ぶ。 しかし、掲示板の書き込みは止まる事がなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |