中編 捨てられ会長 (前) 俺様を好きになる奴なんて、ネコの子ばっかりだと思っていたんだが・・・。 「サイコーだよ。可愛い、可愛い、可愛い」 色々搾り取られて、脱力しきりの俺の身体にスリスリと頭を擦り付ける男は、この学園の理事長だ。 なんて・・・悪趣味な。自分より身長があり、顔立ちだって、男らしいこの俺に対する態度としては、病院に行った方が良いレベルだ。 さて、どうしてこうなったかというと・・・季節外れの転校生に惚れた生徒会の他の連中が、サボりまくり、親衛隊は荒れ・・・生徒会長の俺様は副会長に振られた。この・俺様が・ネコまでやって付き合っていたのに、あのドぐされ、マリモに惚れて俺様を捨てやがった!やっぱり、幼馴染で完全な恋愛感情でもないのに、流された俺様が馬鹿だった。で、俺様は、孤立無援だったわけだが・・・。 転校生の同室の不良・・・こいつが問題だった。こいつは、転校生に惚れていると言われる一匹狼不良な訳だが・・・。大きな間違い。振り回され、影で泣いているのを知った俺様は、どうにかしようとした訳だ。 何故知っているかって?こいつが・・・俺様の親父の愛人だからだ・・・。まさか・・・男やもめの、けれど、モテモテの親父が、息子より年下の強面の不良に惚れるなんて・・・予想外だった。しかも、監禁調教一カ月・・・。その間に何をしたか知った時、俺様と姉貴は、生涯をこいつの為に尽くそうと決めた。俺様の親父は、死んだ。尊敬してた親父はな・・・あんなド変態が親だなんて、死んでも認めん!でも、不良はすっかり堕ちて・・・愛してるって言うんだから、気の毒すぎて涙が出る。 まあ、そんな訳で、俺様は不良の味方だ。ちなみに不良の名前は宗也という。 で、転校生は理事長の甥で、溺愛の馬鹿が色々便宜を図っていると知った俺様は、宗也を別室にしてほしいと頼みに行き・・・もともと俺様に惚れていたと告白され・・・喰われた。宗也の為だし・・・どうせ、副会長に喰われた事あるし、それはかまわん。どうでも良い。 ただ・・・。 「腰が痛い・・・」 激しすぎる・・・。俺様・・・五回は逝ったぞ。理事長は、三回。しかも、前戯、長ッ! 真面目に・・・腹上死かもしれん。 「これからもよろしくね」 ちゅっちゅとキスされながら、涙交じりに言われる。 「その代わり、彼は君との2人部屋にしてあげる」 「頼む。親父に助けを求めるわけにはいかない」 知られでもしたら、宗也は監禁されて高校中退にされる。あのド変態なら、確実にやる!この高校に通うのだって、俺と姉貴が死に物狂いで手配したんだ。本当は、学校にも行かせないで、暇な時は宗也をこう・・・色々ヤリたいんだろう。 死ね!変質者め! 「愛しているよ」 幸せそうに笑われて、まあ、良いか・・・。 3日後に、生徒会役員に知られ、1週間後に副会長に泣いて復縁を迫られたが、まるっと無視した。 ・・・絆されちまった。 愛されるのって、良いよな。どうやら宗也に続いて、俺様も変態絶倫理事長を・・・。 愛してるなんて言えないけどな! [*前へ][次へ#] [戻る] |